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[レビュー2014年07月19日に発表された 

思い出のマーニー

When Marnie Was There

なんも響かない

「スタジオジブリの次代を担うことになる最初の作品」と言われていたが、2014年、ジブリは制作部門を閉鎖。米林宏昌も退社してしまったから、失敗作だったことが伺える。原因を考察すると、とにかく演出が弱い。原作は「かたくなに心を閉ざした少女アンナが、海辺の村に住む少女マーニーとの交流を通じて心を開いていく」というプロットだが、アニメ映画の主人公・杏奈はそうした欠落がなく、好奇心に基づく冒険になってしまった。
また舞台を北海道に移しながら、マーニーを西洋人形のような存在にしたのも奇妙。最初から異質な存在だから、親しみがわかない。もしマーニーが日本人少女だったら、だいぶイメージが変わっただろう。杏奈にもマーニーにも共感できないまま事態が進展するため、真相がわかってもさしたる感慨もわかない。生きるチカラに変換されないのだ。

どうしてこんなミスが起こったのか? 米林監督の人生経験や読書量が足りなかったのか? そんなことは『借りぐらしのアリエッティ』で明らかだったはず。なぜサポート体制を作らなかったのか?
あるいは「アニメ監督は孤独な天才である」と思い込んでしまったのだろう。それで「ポスト宮﨑駿が出てこない」なんて、ひどい言い訳だ。凡才がいくら集まっても天才に勝てないが、天才に伍する天才の出現を待ったり、過度な期待をよせて失敗させるのは愚かだ。

とにもかくにも残念な映画だった。

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