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[レビュー2013年07月20日に発表された 

風立ちぬ

The Wind Rises

いやいや、おもしろかった

宮崎監督は製作意図について、下記のように述べている。

この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである。

まさにそのとおりの映画だった。本作を見ちゃうと、戦争を糾弾する映画も、ゼロ戦の優秀さを誇る映画も、本当は民間機を作りたかったと悔いる映画も、底の浅いものに思えてしまう。見せたいものを見せ、見せたくないものを伏せる。まさにアニメ映画の真骨頂。驚嘆すべき映画だった。

庵野秀明の声も、笑っちゃうほど合っている。考えや気持ちが表情に出ない堀越二郎にぴったり。菜穂子の奥ゆかしさ/したたかさもリアル。宮崎監督はこれほど女を描けたのか。ぞくりときた。

全編通して説明が少ない。数秒のナレーションかモノローグが入るべきところを、お芝居だけで表現している。これが映画か。畏れ入った。


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