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[レビュー1988年04月16日に発表された 

火垂るの墓

Grave of the Fireflies

死者の瞳になにが映っているのか?

画面が赤くなると、清太と節子の霊が現れる。霊はすべてを知っているが、干渉しない。それは観客である私たちと同じ。とりわけ2度目に見るときは、清太の悲しい視点に完全合致する。

無関心な節子にひきかえ、清太はなにか言いたげな目をしている。まだドロップが残っていて、いつか父が帰ってくると信じていたころの自分たちを見て、どう思っているのだろう? どうすればよかったのか? 社会が逼迫すると、弱者から切り捨てられる。年若い清太に甘さがあったとして、それは罪なのか?

戦争の実情をていねいに描いているが、すでに終わった悲劇と思って観るのはまちがいだろう。


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