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[レビュー1991年01月01日に発表された 

超高層ハンティング

HUNTING SKYSCRAPERS

久々に満足できた超能力SF

あらすじ

199X年、超能力をもったミュータント「ASH」が発見される。ASHは人間を魅了し、繁殖して数を増やしている。これに対抗すべく、政府は超能力者の武装集団「JASEP」を結成。秘密裏にASHを見つけ、抹殺していた。
JASEPの戦士である土門は、親を殺された怨みから執拗にASHを追っている。あるとき土門は、ASH発生の背後に巨大な陰謀があることを突き止める。

骨太のストーリーで、見応えがあった。方(岡森諦)の烈しさ、火見香(高樹澪)の美しさがよく合っている。ラストを見たときは、「これだ! これを見たかったんだ」と膝を叩いた。現代社会を舞台にした超能力ものでは、これに勝る作品は出てこないかもしれない。

特撮はしょぼい。最大の見せ場である超高層ビルでの空間戦闘を楽しむためには、視聴者の好意的な想像力が不可欠だろう。頭部だけ生身のサイボーグなど、世界観に合わない要素も散見される。しかしストーリーの魅力が、すべてのアラを押し流してしまった。私は好きだ。こういうの。本作がVシネマであり、DVD化もされてないのは残念でならない。アニメだったらもっと広まっていただろうか? いま調べたら、原作は夢枕獏の短編小説だった。今度、読んでみようと思う。

(追記)
夢枕獏の原作を読んだ。めちゃくちゃ短編だった。映画の要素はすべて詰まっているし、切れ味もいい。比べると映画はやや冗長に感じるが、この短編をそのまま映像化するのは無理だろう。脚本家のアイデアと工夫がわかって、面白味が増した。


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