羊たちの沈黙 The Silence of the Lambs

1991年 外国映画 3ツ星 刑事・警察 推理 殺人鬼

いささか肩すかし

純朴はFBI訓練生クラリスが、収監中の凶悪犯レクター博士からヒントをもらって、現在進行中の猟奇殺人事件を解決する。安楽椅子探偵の変種。緊迫のなかに芽生える信頼関係・・・なんてのを想像していたが、ちがった。

レクター博士は犯人にも被害者にも興味がない。協力する意思も義理も利得もない。クラリスは必死だが、野心がちらちら見える。事件そのものに向き合っていない。
クラリスは、レクター博士の協力を引き出すために用意されたエサ。若く、美しく、理知的で、野心がある。たしかにクラリスは聡明だが、レクター博士が執着するレベルに達していないようだ。結局、博士は脱獄するためクラリスを利用しただけに見える。

クラリスは犯人を偶然見つける。まったくの偶然。推理じゃないの? そのため犯人がどんな人物だったか、よくわからなくなってしまった。と同時に、クラリスが成長したかどうかも追えなくなってしまった。

なにがおもしろかったか、うまく言えない映画だ。ショッキングな映像が話題になったが、大騒ぎするほどじゃない。4年後の『セブン(1995)』の方がよっぽどやばい。推理はあるけど、主題じゃない。狂気はあるけど、よくわからない。
初めて見たのは2011年で、すっかりブームに乗り遅れてしまった。

犯人より探偵(レクター博士)のほうが凶悪ってのは、おもしろかった。

シリーズ化された殺人鬼
レザーフェイス
ブギーマン
ジェイソン
フレディ
グッドガイ人形
ハンニバル・レクター
シザーマン
脅迫者
フィッシャーマン
ミュータント
ジグソウ
キラ

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