三菱開東閣 / まさか見学できるとは
2009年 東京都:南部 建物:近代遺産ひょっこり、三菱開東閣を見学する機会に恵まれた。
開東閣は岩崎家の別邸。ジョサイア・コンドルの設計により、1908年(明治41)に完成した。洋館ファンなら一度は見てみたい建物だが、現在は三菱グループの倶楽部となっており、一般公開されていない。今回は、環境情報科学センターのイベントに同行することで、見学できた。
重厚な石造りの洋館は、じつに素晴らしかった。たくさん写真を撮ったけど、約定で公開できないため、文章でレポートする。
環境情報科学センター 第5回 環境情報エクスカーション 「三菱開東閣庭園」の見学
見学イベントの存在に気づいたのは、一般募集の〆切り日。あわてて申し込んだけど、定員に達していてアウト。次の機会を待とうと思ったが、10日にキャンセルが出たため、参加可能となった。らっきー♪
見学会は13日。その日の夜、私は有明からフェリーで徳島に向かう。家にもどる時間はないので、荷物を積んだ車で東品川に向かうことになる。どこに駐車するか悩み、センターに相談したところ、なんと開東閣に駐車できることになった。車で開東閣に乗り付けるなんて、まさかまさかの経験だ。
※敷地が広大すぎて、入り口がわからない
東品川の森の中
開東閣の敷地が大きすぎて、どこから入ればいいのかわからない。時間ぎりぎりに門を見つけ、見学会と合流する。会員以外の参加費は500円。参加者は総勢20名くらい。私のような一般参加者と、センターの会員の区別がつかない。年配の方が多く、なにかの専門家のような雰囲気。建物見学に気を取られ、会員の方と接する機会をもたなかったのは惜しかったかも。
庭園見学会と銘打たれていたが、建物の中も外もじっくり見させていただいた。いろいろ紹介したいけど、写真がないので、メモ程度に留めておく。
- 玄関 ... 狛犬が左右ともに口を開けていて、背中に彫り物があった。狛犬じゃないかも。
- 内装 ... 内装は昭和39年に復元されたものだが、どの部屋もクラシックなムードにまとめられていた。とりわけ英国調のバーは素晴らしい。こんなところで酒を飲んでみたい。
- 外観 ... 戦争で内装は焼け落ちたが、石造りの建物は残った。直線が多く、お城のようなイメージ。
- 松柏檀(本館南側の庭) ... 三菱グループの関係者しか訪れないのに、きれいに手入れされている。
- 広芝(本館東側の庭) ... 1,500坪の芝生。担当者が嬉しそうに説明する姿が印象的だった。
- バラ園 ... 秋なので寂しい雰囲気。800株以上のバラが咲き乱れるところを見てみたい。
- 釣月庵 ... 本館から少し離れた森の中にある茶室。ここも内部を見学できた。
今なお使われている建物
これまで訪れた洋館と決定的に異なるのは、ここが生きていると言うこと。
間取り的には似ていても、旧前田侯爵邸のようにがらーんと広かったり、旧岩崎邸庭園のように説明資料が並ぶこともない。開東閣は、過ぎ去った過去をしのぶ場所ではなく、今なお現役の迎賓施設なのだ。
案内してくれた支配人や庭師の方々も、見学会の誘導には慣れておらず、説明はおぼつかなかった。しかし、お客様を精いっぱいもてなそうとする気持ちが伝わってくる。開東閣と、この場で提供される時間に誇りをもっているのがわかった。
去り際に、支配人に質問してみた。
「こういう見学イベントは、ときおりあるんですか?」
にっこり笑って、支配人は答えた。
「ございません」
希有なチャンスをつかめて、本当によかったと思う。
関連:ジョサイア・コンドル設計の建物
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