世にも奇妙な物語 2016 春の特別編 Yonimo Kimyouna Monogatari: 2016 Spring

2016年 日本ドラマ 3ツ星 #世にも奇妙な物語

5話から4話になった

いつもと違うのに、「またしても4人の人間が...」とアナウンスされることに驚く。1本あたりの尺は伸びたが、どれも楽しめた。オチで首をひねることはあるが、見てる最中は興奮して、CM中断が気にならなかった。
今回のヒットは「夢見る機械」だね。シリーズ屈指のSFエピソードだった。フジテレビもわかっていて、ストーリーテラーに予知夢の話をさせたり、クレジットで各エピソードの登場人物がロボットだったと明かすなど、趣向が凝らされていた。

美人税

[あらすじ] 主人公は美人OL。美人としてトクすることも多かったが、「美人税」が導入されたことで生活が一変。納税は美人の証明でもあるため、一時は税率30%を喜んでもいたが、貯金はなくなり、会社は解雇され、遺産相続もできなくなる。
[ネタバレ] やむなく不美人を装うが、税法違反として逮捕・収監された。刑期を終え出所した主人公は、美人として生きる決意をするが、世の中は美人の価値観が変わっていて、主人公は不細工に分類されてしまった。

[感想] 消費税、所得税、相続税のすべてに課税されるって、もはや迫害だな。税によって社会が変わるのは当然だが、わずか2年でひっくり返るのは異常。そこを突っ込んでほしかった。

夢みる機械

[あらすじ] 漫画家志望の青年が、ふとしたことで母親がロボットだったことを知る。よく見ると周囲の人間はみんなロボットだった。幼なじみの女性に相談すると、ロボットでも支障なかったからいいじゃないと言われる。よく見ると彼女もロボットだった。
[ネタバレ] 主人公はユートピア配給会社が関与していると考え、事務所を訪ねる。そこには人生に疲れた人たちがカプセルに入って、理想の人生を楽しむ夢を見ていた。両親や彼女、勤め先の上司、編集者もいた。理事長がやってきて、主人公もカプセルに押し込もうとするが、まだカプセルに入っていなかった彼女に静止される。彼女は主人公と現実で生きると決意。2人は外に出て、結婚し、漫画の連載も決まって...
それはユートピアが配給する夢だった。「夢とわからない夢は現実と違わない」という理事長に突き飛ばすと、彼もロボットだった。理事長は政治家などをロボットと入れ替えて世界を征服するつもりだったが、面倒なことをせずとも夢が叶うと気づき、カプセルに入ってしまったのだ。
主人公が夢見る機械を破壊すると、ロボットの動きが止まった。カプセルから出てきた家族や恋人は主人公を侮蔑した。いたたまれなくなって外に出ると、通りを行き交う人はみんな停止していた。生きてる人間なんて、もう残っていなかったのだ。
システムが自動修復し、再起動する。
[原作] 諸星大二郎「夢みる機械」

[感想] ドリーム・マシンを扱った小説や映画の中でも完成度が高い。最後に「どうしますか?」と質問してほかったね。

通いの軍隊

[あらすじ] ニュー・イバラギが独立を宣言し、政府軍と戦争になった。主人公はサラリーマンだが、ひょんなことから補給部隊に組み込まれる。主人公は仕事と割り切って戦場に通って、任務を果たす。仲間が次々に死んでいくが、仕方ないことと割り切る。ある夜、奥さんが戦場にやってきた。
[ネタバレ] 2人で弁当を食べ、生まれてくる子どものことを話す。そこに迫撃砲が飛んできて、奥さんは戦死。悲しむ主人公の頭上に、もう一発着弾する。
[原作] 筒井康隆「通いの軍隊」

[感想] 状況はおもしろいが、なんの展開もなく終わってしまった。

クイズのおっさん

[あらすじ] 主人公はしがないサラリーマン。クイズ番組で優勝して、クイズ一年分をもらう。その日からクイズを出題する男に付きまとわれる。外で寒がるクイズおっさんを放って置けず、主人公は家にいれ、ふたりで暮らしはじめる。クイズおっさんはなにも言わず、クイズを出題しつづける。
[ネタバレ] 好きだった女性に裏切られ、解雇され、転職先が見つからず社会の底辺をさまようが、クイズおっさんがいたことで主人公は絶望せずに済んだ。1年後、ふたたび例のクイズ番組があって、新しいクイズ王が「クイズ一年分」を当てた。主人公は思わず嫉妬してしまう。
[原作] 竹本友二「おっさんの宴」

[感想] オチはしょぼいが、見てる最中は楽しかった。

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