世にも奇妙な物語 25周年記念! 秋の2週連続SP 傑作復活編 Yonimo Kimyouna Monogatari: Revival Special

2015年 日本ドラマ 2ツ星 #世にも奇妙な物語 ★妄想リメイク

再放送でいいやん

25周年を記念して、人気アンケート上位の傑作エピソード5本がリメイクされた。必ずしも1-5位ではなく、大人の事情があるようだ。「昨日公園」の新しいオチはよかったが、ほかはオリジナルを越えたとは言えず、だったら再放送で十分と思ってしまう。

「世にも奇妙な物語」視聴者人気投票作品トップ30
# タイトル (主演/放送) あらすじ
1位 「イマキヨさん」 (松本潤 / 2006年-15周年)
- 就職活動中の若者のアパートに、妙なおっさんが部屋に居座るようになる。それは「イマキヨさん」という福の神で、4つの約束事があった。
2位 「ニートな彼とキュートな彼女」 (玉森裕太 / 2014年-春)
- 近未来。青年が入居した公団アパートはホログラム映像のメイドによって管理されていた。彼女は主人公にさまざまなアドバイスをしてくれた。
3位 「空想少女」 (能年玲奈 / 2014年-春)
- 通学バスの女子校生。彼女趣味は歴史小説を読むことと、イケメン高校生に石田三成のイメージを重ねて妄想することだった。
4位 「昨日公園」 (堂本光一 / 2006年-秋)
- 親友の事故死に悲嘆する男。ふと、一日前にもどる方法がわかったので、親友を助けようと奔走する。
5位 「才能玉」 (櫻井翔 / 2007年-春)
- バンド活動をしているが、才能がないと言われ落胆する青年。通販サイトで才能を呼び覚ます3つの飴玉を購入。音楽の才能が目覚めることを期待して、1つずつ飲んでいく。
6位 「はじめの一歩」 (大野智 / 20周年SP秋 人気作家競演編)
- 「まずはじめに...」が口ぐせの主人公は、ふいに時間が止まって、神さまと称する男に出会う。
7位 「ズンドコベロンチョ」 (草刈正雄 / 1991-04-18)
- 広告代理店のエリートは、ある日周囲の人たちが「ズンドコベロンチョ」という謎の言葉を使い始めたことに焦る。
8位 「懲役30日」 (三上博史 / 1998年-秋)
- 凶悪犯に下された判決はたった懲役30日の刑。凶悪犯は大喜びするのだが......。
9位 「BLACK ROOM」 (木村拓哉 / 2001年-SMAP)
- アメリカ留学から帰ってきた長男は、家の様子がおかしいことに戸惑う。
10位 「美女缶」 (妻夫木聡 / 2005年-春)
- フリーターの男。ふとしたことから美女が入った缶詰を手にいれるが、出てきた美女は自分の思い通りにならなかった。
11位 「夜汽車の男」 (大杉漣 / 2002年-春)
- 夜汽車にのった男が弁当の食べ方に苦悩する。
12位 「雪山」 (矢田亜希子 / 2000年-映画)
- 冬の山小屋で救助を待つ4人の男女。食料や毛布はあるが、4人いっぺんに寝て凍死しないよう工夫をこらす。
13位 「自殺者リサイクル法」 (生田斗真 / 2009年-秋)
- 借金を苦に自殺した主人公は、「自殺者リサイクル法」によって保護され、危険な業務の遂行を命じられる。
14位 「ロッカー」 (織田裕二 / 1990-05-03 第1期)
- 研究所に忍び込み、機密を盗み出した男。しかし職員がもどってきたため、あわててロッカーに隠れた。
15位 「23分間の奇跡」 (賀来千香子 / 1991年-冬)
- 小学校に新しい先生がやってきた。先生は子どもたちに新しいルールを教えていく。
16位 「時の女神」 (柳葉敏郎 / 1994年-七夕)
- 妻を亡くした男が、成長した娘の下校を見守る。彼は若いころから、美しい女性をよく見かけていた。
17位 「来世不動産」 (高橋克実 / 2012年-秋)
- 闘病中の男が、気がつくと草原に建つ店の前にいた。そこは魂が次に宿る来世の身体を斡旋する不動産屋だった。
18位 「過去からの日記」 (西島秀俊 / 2004年-秋)
- 新作を書けず悩む小説家。古本屋で見つけた日記を通じて、過去の持ち主と交流できることがわかる。
19位 「13番目の客」 (草なぎ剛 / 2001年-SMAP)
- 仕事に疲れた男が散髪屋に入る。すると彼は12番目の店員となり、1年の修業を経ないと店から出られなくなる。
20位 「迷路」 (谷原章介 / 2003年-秋)
- 閉鎖した遊園地の巨大迷路を取材する番組スタッフたち。そこで彼らは、行方不明になった迷路の挑戦者たちと遭遇する。
21位 「どつきどつかれて生きるのさ」 (横山裕 / 2008年-秋)
- 独立国となった大阪では、将来を誓い合ったボケとツッコミが「結成届」を役所に提出、生涯のコンビとなる風習があった。
22位 「トイレの落書」 (木村拓哉 / 1995年-春)
- 終電間際の駅のトイレに駆け込む男。ふと、「夜、このトイレを使った人は出られなくなる」という落書きに気づく。そして本当にトイレから出られなくなった。
23位 「自販機男」 (城島茂 / 2007年-秋)
- 仕事に疲れた男が、立ってるだけで仕事になる自動販売機をうらやむ。すると自動販売機が人間に見えてしまうようになった。
24位 「相席の恋人」 (倉科カナ / 2012年-秋)
- 彼氏とうまくいかないことに悩む女性。喫茶店で老人と相席になる。老人は彼女の名前を知っていて、あなたの恋人だと言った。
25位 「峠の茶屋」 (伊藤かずえ / 1991-02-14 第2期)
- バイクツーリングの途中、峠の茶屋で休憩する女性。「こんな所でずっと暮らせたらいいなぁ」とつぶやくと、茶屋の主人の顔が青ざめた。
26位 「思い出を売る男」 (小堺一機 / 1994年-秋)
- 借金返済のため、男は特殊な機械で思い出を売ることにした。売った思い出は記憶から消えるため、初恋の相手も部活動の仲間もわからなくなった。
27位 「ハイ・ヌーン」 (玉置浩二 / 1992-06-11 第3期)
- ある暑い日、町の定食屋にサラリーマンがやってきて、メニューを端から順に注文しはじめた。
28位 「石油が出た」 (丸山隆平 / 2013年-春)
- なんの取り柄もない男が、おしっこが石油に変質したことで注目を集める。
29位 「サブリミナル」 (東幹久 / 1992年-冬)
- 急増する老人の自殺を取材する新聞記者たち。パラダイス・ガムのCMに込められたサブリミナルメッセージが隠されていたことを突き止める。
30位 「栞の恋」 (堀北真希 / 20周年SP秋 人気作家競演編)
- 60年代。あこがれの男性(サリー/YT)に話しかけられない少女(KK)は、古本屋で彼が読む本に、メッセージを書いた栞を挟んでおく。YTも栞に気づき、正体を隠したままの会話がはじまる。ふとしたことから青年サリーは、YTではないことに気づく。

昨日公園

[あらすじ] 主人公は女子大生。友だちが事故死するが、公園にもどると昨日をやり直せることに気づく。主人公は友だちを救うため奔走するが、何度やり直しても友だちは死んでしまう。
[ネタバレ] 主人公は友だちに別れを告げ、死別を受け入れた。6年後、あの公園で佇んでいると、暗い顔をした弟がやってきて、「もし姉ちゃんが今夜死ぬとしたら」といい出す。事情を察した主人公は、弟に感謝と別れを告げるのだった。
[原作] 朱川湊人「昨日公園」
[初出] 2006 秋の特別編

[感想] 女性同士になったことで関係性が薄らいだ。「ボールを拾うことでタイムスリップする」という演出がないのも寂しい。しかし死を受け入れるラストは鮮烈で、美しい物語になった。

イマキヨさん

[あらすじ] 主人公は就職活動中の貧乏学生。ある日、部屋に変なオッサンが住み着いてしまった。地元の人によると「イマキヨさん」という福の神らしい。イマキヨさんと暮らすためには「イマキヨさんを追い出さない、傷つけない、引越しの話をしない、謝らない」という4つの約束事があったが、主人公はルールを破り、そのたびイマキヨさんが増えてしまう。
[ネタバレ] 4つの約束を破った主人公は消滅。彼女の家にイマキヨさんが出現した。
[初出] 2006 15周年の特別編

[感想] 相変わらずビジュアルインパクトだけ。

ハイ・ヌーン 真昼の決闘

[あらすじ] ある暑い夏の日、町の小さな食堂に男の客がやってきた。彼は親子丼を注文し、食べ終えるとカツ丼を注文。さらに玉子丼、スタミナ丼、アジフライ定食と注文し、平らげていく。居合わせた人たちは、男がメニューを左から順に注文していることに気づく。店主は意地になって料理し、駆けつけた人たちが見守るなか、男は食べつづける。
[ネタバレ] 最後まで食べきったとき、人々は得も言われぬ感動に酔いしれる。しかし男はふたたび親子丼を注文した。
[原作] 江口寿史
[初出] 1992-06-11

[感想] 男装した和田アキ子はあからさまに不気味で、人間に化けた宇宙人のようだ。やる気になった店主、料理シーンが増量され、決闘っぽい演出がいい。なんだかわからないが、応援したくなる気持ちは共感できる。しかしオチが変わってなかったのは残念。原作通りのオチ──さっそうと去っていく男を見送ってから、感動の熱から覚めた亭主が、「食い逃げだ」と気づく──を見たかった。

ズンドコベロンチョ

[あらすじ] 主人公はITベンチャーの社長。横文字や専門用語を多用し、なんでも知ってる男と評判だった。ある日、周囲の人たちが「ズンドコベロンチョ」という言葉を使いはじめるが、意味がわからず混乱する。
[ネタバレ] 主人公は東京オリンピックのズンドコベロンチョ・アンバサダーに任命される。その壇上、主人公はズンドコベロンチョを知らないことを告白。世界中から避難を浴びる。
[初出] 1991-04-18

[感想] インターネットで検索したり、Siriに質問するのはいいね。情報がないのではなく、あっても意味がわからないところは、もうちょい掘り下げてほしい。オリジナルに比べ冗長で、オチも改悪。プライドが高い男が降参しても意味がわからないところに、この物語の魅力があったのに。

思い出を売る男

[あらすじ] 主人公は駄目人間。借金返済のため、思い出を売ることにする。悲しい思い出、苦い思い出も、好事家は大金を払って買ってくれる。主人公はどんどん思い出を売ってしまい、旧友に会っても思い出せないことばかりになる。
[ネタバレ] 娘の治療費のため、主人公はあらゆる思い出を売ってしまう。主人公は廃人となったが、妻子が見つけ、いっしょに暮らしましょうと言ってくれた。
[初出] 1994 秋の特別編

[感想] オリジナルの主人公はプライドが邪魔して再就職できなかったが、リメイクは単なる駄目人間で、いいところがまったくない。リメイク版の主人公は娘に手を取られて涙を浮かべるが、オリジナルはこんな反応を示したっけ? 思い出が残っているように見える演出は反則だし、チープだ。どうにも弱いのでラストを変えてみよう。

★妄想リメイク

(前半同じ)
主人公が記憶を売っていることを知った旧友は、殴って止めようとする。
「いきなり殴らないでください」
「覚えてないのか? むかしおまえは、シンナーを吸いそうになったおれを殴って止めてくれたんだ。
 おまえのおかげで、おれは...」
「おぼえていません。
 だからもう、ぼくに、かまわないでください」
「おまえが忘れても、おれが覚えている!
 だから絶対に記憶を売るな!
 今度はおれが、おまえを助ける!」
主人公は約束する。
しかしその夜、子どもが病気で莫大な治療費が必要になったことを知らされた主人公は、すべての記憶を売ってしまう。

数年後。廃人になった主人公のアパートに、旧友と妻子が訪ねて来た。
「すす、すみません。あなたがどなたか、わかりません。
 ぼぼ、ぼくは馬鹿だだから、たた大切なものを、みんな、売ってしまったんです。
 もうなにもありません。なにもありません」
おびえる主人公を胸に抱く妻。
「いいのよ。
 思い出はこれからいっしょに作りましょう」

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