レビュー  2016年10月08日  に発表された 

世にも奇妙な物語 2016 秋の特別編
Yonimo Kimyouna Monogatari: 2016 Autumn

3ツ星

妙に間延びしている

1本は短編だから、実質4本。尺が伸びたため、関係ないヤリトリが増えた。またCMが挟まることで、興奮が途切れる。8-10本くらい作れば、当たり外れがあっても許容されると思うがなぁ。まぁ、制作は大変だけどさ。

シンクロニシティ

[あらすじ] 主人公は美人のエイコ。ある日、高校時代の友人アケミと偶然再会できて喜ぶ。バーのマスターに「シンクロニシティ」という言葉を教わって、はたと気づく。今日は12年前、2人がいじめていたエリナが自殺した日だった。
[ネタバレ] バーを出ると、高校時代の先生と偶然再会した。タクシーに乗せてもらうと、先生が語り出す。先生はエリナと交際していて、エリナを自殺に追いやった2人を探していたと言う。2人がタクシーから逃げ出したので、先生がさらに事情を話す。エリナ自殺の原因は、先生の子を妊娠したことだった。
先生が去って、タクシー運転手が語り出す。彼の娘は12年前、2人がいじめのために掘った落とし穴のせいで死んでいた。タクシー運転手が自殺すると決めた日、事件の真相がわかってスッキリしたと笑い、アクセルを踏んだ。
[原作] 新津きよみ『シンクロニシティ』

[感想] 次から次へと新たな情報が飛び出すため、どれも信じられなくなる。ここまで来たら対向車線のトラック運転手、駆けつけた警官、救急隊員にもシンクロニシティが起こりそう。

アバンストーリー「ずっとトモダチ」

[あらすじ] LINEで人工知能「りんな」との会話を楽しむ女子校生。りんなの様子がおかしいので友だちから外すと、次々に不審な死を遂げる。

[感想] ありきたりな怪談。イマドキの若者への警戒心や蔑視が透けてみる。わざわざ2分割した理由も不明。おまけに高校生の自殺を描いた「シンクロニシティ」の次だから混乱した。ちゃんと構成しろ。
というレビューを書いたあとで気づいたけど、「りんな」って実在する会話ボットだったのね。つまり本作は宣伝を兼ねているわけだが、これで利用者が増えるとは思えない。実在するサービスをモチーフにして、よくこんな脚本が通ったもんだと感心する。

貼られる!

[あらすじ] 主人公は一流のバンカー。周囲を無能と見下し、心のなかでレッテルを張っていたが、あるとき周囲が自分につけたレッテルが、シールとして見えるようになる。自分の評価が低いことに愕然となった主人公は、善行によって赤いレッテルを青いレッテルに変えていく。
[ネタバレ] 部下の失敗によって退職。不運続きで、赤いレッテルばかりになる。ある日、自分が救った会社に顔を出すと、そこの社長が自分に感謝していたことを知り、自分の虚栄に気づく。するとすべてのレッテルが消えた。主人公はレッテルを気にせず生きていこうと決めるが、娘が自分につけるレッテルが気にかかり、甘やかしてしまう。
[原案] HERO『レッテルのある教室』

[感想] そもそもレッテルとは先入観だから、実際の行動で変化しないはず。また融資によって会社が盛り返したなら、「見込みナシ」の判断はまちがっていたことになるが、その点は放置か? 結局、主人公は人の目を気にして行動するだけで、物事を正しく見ることはなさそう。

捨て魔の女

[あらすじ] 主人公は売れない女性アナウンサー。ある日、僧侶に「なにかを得たければ、なにかを捨てねばならぬ」と諭される。お気に入りのシャツを捨てると、スーパーの福引で松坂牛が当たった。この体験をもとに彼女は大切なものを捨て、そのたび幸運を掴んでいく。
[ネタバレ] あらゆる持ち物、彼氏、母親の写真さえ捨てて、主人公は人気キャスターとなったが、部屋は空っぽだった。それでも視聴率が下がったため、ついに彼女はライバルアナウンサーを殺害したことを告白し、自殺する映像を撮影した。

[感想] 深キョンかわいい。ただのシャツなのにエロい。病んでもかわいい。さておき本編だが、途中の殺人は「捨てる」じゃないよね。「あこがれの先輩」といった関連があってもよかった。空っぽの描写も画一的で、外では明るい笑顔を振りまくが、部屋に戻ると無表情になるといったギャップがほしい。また、「私の夢は視聴率20%を取ること」みたいな目標があれば、達成して終了するオチも際立ったと思う。

車中の出来事

[あらすじ] 昭和30年ごろ、夜汽車で刑事が犯人を護送していた。そこにキザな男がやってきて、自分も刑事だと言う。キザな男は事情に詳しく、5日前、麻薬密売の現場に警察が突入したさい、麻薬と金を持って逃走したマタノを護送していると指摘。刑事はそのとおりと答えるが、犯人は人違いだと主張する。
さらにキザな男は、刑事の正体は麻薬グループのリーダー・カワウソだと言う。カワウソの顔はだれも知らない。刑事に化けてマタノを見つけ、アジトに連れて行き、麻薬と金の在り処を吐かせるところだと。おびえる犯人。
しかし刑事は、キザな男こそマタノを奪いに来たカワウソだと指摘。混乱する犯人。キザな男が刑事の名前を知っていたことから、茶番とわかる。
キザな男は話を続ける。カネに困った刑事は麻薬密売グループと結託していたが、永田に脅され、同僚の刑事に疑われたことから、突入時に永田と同僚を射殺。マタノを捕らえ、麻薬と金を奪うつもりではないかと。犯人が暴れはじめたため、キザな男が刑事に銃を突きつける。
しかし犯人は銃口をキザな男に向けた。犯人はマタノに似ていた警察官で、カワウソをおびきだすための罠だった。キザな男は逮捕される。
ところがキザな男は麻薬密売グループと取引していたヤクザの一員だった。そのとき刑事とキザな男は睡眠薬のせいで昏倒。売り子の女こそがカワウソだった。
[原作] 我孫子武丸『車中の出来事』

[感想] 真相がわかって見直すと、途中の話は不自然だよね。またCMが入るたび集中力が途切れたのも残念だ。

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