レビュー  2003年12月13日  に発表された 

ゴジラ(27) ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
Godzilla: Tokyo S.O.S.

5ツ星

武器が、さらば

本作の構図はなかなか深い。人間が初代ゴジラの骨から機龍《メカゴジラ》を作ったことは、倫理的に正しいことではないが、生き残るためにはやむを得なかった。
ところが小美人は、機龍を廃棄しなければ「ゴジラが人間の敵になる」と警告する。そうなのだ。ゴジラは人間を敵とみなしていなかった。だが同族の死体をもてあそぶとなれば、話は別だ。この警告は衝撃的だった。

また機龍がゴジラを呼び寄せている可能性が指摘される。なるほど、そう考えた方が納得できるが、機龍を保持したい政府は一蹴する。検証すらしない。政府による原発推進を見ているようだ。人間が機龍(武器)を捨てれば、モスラが護ってくれるという提案は、日米同盟を彷彿させる。もちろん政府は反発し、モスラを信じる人たちに圧力をかけてくる。違法ではないが、いやらしい手口。怪獣映画に、ここまで現代社会が投影されるとは思わなかった。

ゴジラが上陸し、モスラと戦いはじめた。モスラが勝てば、政府は機龍を捨てることになる。どうなるだろうと思っていたら、いきなり首相が機龍を投入した。
「我々は臆病者ではない!」
なんと愚かな判断。機龍を乱入させたら、ゴジラとモスラが手を組む可能性を考えなかったのか? 機龍の潜在的な問題をきちっと検証していないため、やけくそとしか思えない。

どうにもならない状況を打ち破ったのは、機龍自身だった。武器を捨てるのではなく、武器に自害してもらうとは! 情けない展開だが、政府は勝利宣言する。まぁ、そういうしかないだろう。首相の勝利宣言と、機龍パイロットの敬礼は、前作と意味が異なっている。おもしろい。

91分という短い尺に、うまくまとめている。おもしろかった。特撮パートも申し分ない。第3期ゴジラシリーズの傑作だと思う。


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