ULTRASEVEN X (全12話) ULTRASEVEN X

2007年 特撮 4ツ星 #ウルトラシリーズ SF:ファーストコンタクト 地球外生命 異世界に召還 記憶操作

こんなアプローチがあったとは!

「大人が見て楽しめるウルトラマン」を作るのは、CG技術が発達した現代においても難しい。巨人が怪獣とプロレスするビジュアルが、どうしようもなく不自然だからだ。しかし本作は、世界そのものを不自然にすることで解決している。ダークでスタイリッシュで、ハードSF。1クール12話という短さもちょうどいい。こんなアプローチがあったとはね!

主人公に共感しづらい

もちろん難点はある。全体的に状況説明が少なすぎて、世界に入りにくい。おまけに主人公が記憶喪失だから、立ち位置が定まらない。モロボシダンは宇宙人と地球人、双方の視点を有していたが、ジンには記憶がないため、地球人としての判断すらできない。にもかかわらず、難しい問題を瞬時に判断している。どんな根拠で裁いているのか。
視聴者はジンをウルトラセブンが化けた姿かもしれないと思っている。しかしジンは、その可能性に気づいていない。このギャップもつらい。

注目すべき不自然か、無視すべき演出ミスか

世界観が特殊すぎて、けっこう困惑した。たとえば宇宙人が襲ってきても人々が大騒ぎしないのは、政府が適切に情報統制しているせいか、すでに人類が退化しているのか、描写する予算がなかったのか、ピンとこなかった。またエイリアンの存在が明らかなのに、対抗するデウスが秘匿されているのも奇妙。ビデオシーバーの科学力が驚異的で、エイリアンの超能力と区別がつきにくかった。

「偽りの平和」 と 「真実の戦争」

「人類同士の戦争がない」という前提に立つと、マーキンド星人に侵略兵器を作らせていた"人間"の正体が気になる。じつはグラキエスに対抗するレジスタンスだったのかもしれない。いずれにせよ最終回で、グラキエスの支配は打ち破られる。これによって世界は大混乱し、人類同士の戦争も再開するだろう。ある意味、地球は一種のエイリアンに支配されることで、ほかのエイリアンから守れていたわけだから、さらにひどい事態になるかもしれない。
後日談まで描けとは言わないが、そうした可能性に悩むシーンはほしかった。でなければ、難解な世界観を設定した意味がない。

神のごときセブン

こうして見ると、セブン(ダン)は異世界の神のようだ。その神が、自分の世界にもどって、アンヌと結婚するシーンはのけぞった。アンヌは地球人男性と結婚して、一児の母じゃなかったの? あるいは平成セブンをなかったことにして、ずっと結婚を待っていたの?? アンヌを出したい制作者の気持ちはわかるけど、いくらなんでもストレートすぎ。ただの再会でいいのに。

各エピソードの感想を残しておく。お気に入りは第3話、第5話、第8話。

  1. DREAM ... 切れないアイスラッガーに愕然とする。
  2. CODE NAME"R" ... その決断を否定する資格があるのか。
  3. HOPELESS ... これがシリーズのコアになると思ったのだが......。
  4. DIAMOND"S" ... Sはやばいが、Mよりまし。あんがい普通人。
  5. PEACE MAKER ... 弱者に力を与えることなかれ。
  6. TRAVELER ... 彼がダンなら、深みがあったかもしれないが。
  7. YOUR SONG ... すんなり受け入れられない。Dも含めて。
  8. BLOOD MESSAGE ... これは恐ろしい爆弾。むしろ宇宙人でよかった。
  9. RED MOON ... 純粋ホラーがまぎれ込んでいた。
  10. MEMORIES ... いよいよ物語は核心へ。
  11. AQUA PROJECT ... プロットはわかるが、接続が弱いような。
  12. NEW WORLD ... 異界の神にも結婚願望が!

まぁ、残念に思うところもあるが、おおむね気に入っている。このテイストなら、できることはまだある。ウルトラシリーズの今後に期待したい。

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