レビュー  1967年10月01日  に発表された 

ウルトラセブン (全49話)
ULTRASEVEN

5ツ星

理想に燃える若者たちのドラマ

『セブン』は私が産まれる4年前の作品なので、直撃していない。何度か再放送を見たが、等身大のセブンや宇宙人をおどろおどろしく感じたくらいで、特別おもしろいとは思わなかった。当時は『タロウ』に夢中だった。
1987年、16歳のとき『泉麻人のウルトラ倶楽部』によって再評価の気運が高まると、『セブン』はSFドラマに昇格した。以来、私にとってもっとも好きなウルトラマンになる。
2011年、40歳でふたたび全話鑑賞すると、またまた印象が変わった。たしかに『セブン』は意欲作だが、あまりにも荒削りだった。不可解だったり、投げっぱなしのエピソードがとても多い。私は『セブン』を絶賛することで、特撮やSFの知識をひけらかしていたのかもしれない。

注目すべきはダンの若さ。『ウルトラマン』のハヤタ隊員に比べると顕著だが、ダンは絶対正義のヒーローではなく、理想に燃える若者でしかない。そのため苦悩したり、暴走したり、そのくせ答えに届いていない。たとえば第26話「超兵器R1号」で、兵器開発競争はむなしいと指摘するが、では兵器のない世界をどう実現するかは考えていない。あまりに若い。
だが、それがいい。そもそも宇宙人に絶対正義を期待する方がまちがっている。来訪者に答えを教えてもらうのではなく、ともに答えを見いだしていけばいい。それが『セブン』のテーマだった......とは言えないが、私はそう解釈できる年齢に達したようだ。

ダンをヒーローではなく、危なっかしい若者としてみると、またちがった楽しみがある。ウルトラセブンとは、若者のエネルギーを具現化したヒーローなのだ。

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