レビュー  1974年09月24日  に発表された 

そして誰もいなくなった (ピーター・コリンソン監督)
Ein unbekannter rechnet ab

4ツ星

ほどよく同情できない被害者たち

私が最初に見た「そして誰もいなくなった」の映画。原作の舞台が砂漠でないことも、あとで知った。
ビジュアル的に、ロンバードが主人公なのはわかるが、探偵のような賢さも、集団を統率するリーダーシップもない。ヒロインである秘書も美しいが、殺人者として見てしまう。そんな2人が急接近するのは映画のお約束だが、状況的に不自然であり、また滑稽に見える。ほかの客たち身勝手だったり、傲慢だったりするから、親近感はわかない。
なので1人、また1人と殺されても悲劇性はなく、むしろオーエンによる見立て殺人が完成するところを見たいと思ってしまう。まるで観客は、安全な高みから閉ざされた宮殿をのぞき見ているようだ。
テーマ曲がなんとも言いようのない気持ちにしてくれる。この感覚は楽しい。

そして観客はラストに衝撃を受ける。それは邪悪な殺人犯を駆逐した喜びではなく、馬鹿な若者にせっかくの計画を邪魔された無念であった。うん、やっぱりこの映画は好きだわぁ。


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そして誰もいなくなった (ピーター・コリンソン監督)