満潮に乗って / 名探偵ポワロ #57 (デビット・スーシェ主演) Taken at the Flood / Agatha Christie's Poirot #57
2006年 海外ドラマ 4ツ星 探偵 推理 @アガサ・クリスティ「愛は、しあわせよりも大きいから...」
あらすじ
大富豪のゴードン・クロードの屋敷でガス爆発が起こり、クロード氏と使用人たちが死亡。若くて美しい未亡人(ロザリーン)が莫大な遺産を引き継いだが、高慢な兄(デビット・ハンター)が財産を管理したため、浪費家ばかりの一族は屈辱にまみれた。
ロザリーンの前夫、ロバート・アンダヘイが生きていれば、ゴードン・クロードとの結婚は無効になる。ポワロはアンダヘイの捜索を依頼される。
ほどなくアンダヘイの友人を名乗るイノック・アーデンが現れるが、殺害されてしまう。警察はイノックこそがアンダヘイで、脅迫されたデビットが口封じで殺したと考えるが、証拠はなかった。一方、デビットも自分のアリバイを証明できなかった。
デビットの吹き替えが大塚明夫さんで、横柄な態度がめちゃくちゃハマってた。ポワロを呼び捨てにしたことで、「この男の破滅を見たい」という暗い情熱が燃える。ところがイノック・アーデン殺しについて、デビットは無罪。ポワロは私情に流されず、冷静に推理した。そして事件の本題が明かされ、驚いた。なるほどね。小さな違和感が一気に解消され、痛快だった。
また本作はラブロマンスでもある。リンはクロード一族でありながらデビットと敵対できず、魅了されていく。物語のスタート時は純朴な農場主(ローリイ・クロード)と結婚寸前だったため、唐突な心変わりに驚かされる。デビットとリンはいつ、愛を育んだのか? デビットは妹とリンを天秤に掛けられるのか? いろいろ消化不良だが、リンの吹き替えが田中敦子さんだったので、細かな疑問は吹っ飛んだ。声優の存在感は大きい。
このドラマは原作からだいぶ改変されているそうだが、これはこれで悪くない。ただ翻案するなら、もうちょいわかりやすくしてほしい。冒頭の少佐の説明は唐突だし、ガス爆発でロザリーンを知る人間が死んだこともわからない。ミステリーとしてみると、フェアと言えないな。
アガサ・クリスティ | |
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ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
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ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
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ゆっくり文庫 | |
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ほか | |
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