書斎の死体 / ミス・マープル (1/12) Miss Marple / The Body in the Library
1984年 海外ドラマ 2ツ星 探偵 推理 @アガサ・クリスティすでに解決していた
あらすじ
バントリー夫妻が住むゴシントン・ホールの書斎で、若い女性の死体が発見された。バントリー夫人は友人のミス・マープルを呼び、調査を依頼する。ミス・マープルは女性に爪を噛む癖があったことに留意する。
近隣で若い金髪のダンサーを招いてパーティーを開きそうなのは、映画関係者のベイジル・ブレイク。ブレイクはバントリー大佐とも険悪な関係だった。しかし彼の容疑を裏付けるものはない。
マジェスティック・ホテルのダンサー、ルビー・キーンが行方不明になっていた。同僚であり親戚のジョージーが遺体を確認する。ルビーは仕事をほったらかして外出、それきり姿が見えなくなっていた。最後にあったのは映画関係者ベイジルだった。
ルビーは、富豪コンウェイ・ジェファースンに気に入られ、養女として莫大な遺産を受け取ることになっていた。そうなると困るのはジェファースンの義理の息子マークと義理の娘アデレードだが、ルビー死亡時刻、ふたりにはアリバイがあった。
ベイジルの盗まれた車から若い女性の焼死体が見つかった。所持品から女子高生パメラの死体と推測された。パメラは、ルビー殺害の現場を目撃して、殺されたと思われた。またルビーはベイジルの写真を持っていたことが明らかになる。警察はベイジルを逮捕した。
英国BBCが制作したヒルトン版『ミス・マープル』の1作目。私にとっては、初めての『ミス・マープル』。山岡久乃の声が、おだやかな雰囲気の中に、どこか神秘的な印象を与える。
アマチュア探偵であるミス・マープルは、親友の頼みで調査を手掛ける。また元警視総監サー・ヘンリーの支援で取り調べにも顔を出す。スムースだ。
2時間36分もあるから、描写も丁寧。置き去りにされたと思ったジェファーソン、排斥されるバントリー大佐、同情するベイジルなども描かれている。
ミス・マープルが明晰な頭脳をもっていることは、観客である私には明らか。当然、彼女の名推理を聞きたいと思うが、なかなか教えてくれない。マープルの友人のようにヤキモキしたよ。
えんえん引っ張ったのに、推理の披露はあっけない。ポアロのように劇的な犯人当てはないにしても、もう少し高揚感があると思ったのに。まぁ、マープルは刑事でも、探偵でもない。ふつうのおばあちゃんが考えを述べるときは、このくらい静かなのも当然か。
周囲がマープルに注目する演出は、まぁ、そうあるべきと思うけど、対応するカタルシスがないからもどかしい。さりとて淡々と描いてほしいわけでもない。難しいところだ。
真相
犯人はマークとジョージ。ふたりは結婚していたが、ジェファーソンの嫉妬を避けるため秘密にしていた。ルビーが養女になると聞いて、殺害を決意する。
ルビーと背格好が近いパメラをスカウトして、化粧させたのち絞殺。遺体をベイジルの家に投げ捨てた。ベイジルは遺体をバントリー大佐の書斎に運んだ。ルビーの遺体はベイジルの車といっしょに焼いた。
アガサ・クリスティ | |
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ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
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ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
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ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
ほか |