葬儀を終えて / 名探偵ポワロ #56 (デビット・スーシェ主演) After the Funeral / Agatha Christie's Poirot #56
2006年 海外ドラマ 3ツ星 探偵 @アガサ・クリスティだれにも気づかれない女の大博打
あらすじ
資産家のリチャード氏が亡くなった。遺産は遺族で均等に分配されるが、リチャードの甥・ジョージは除外されていた。生前リチャードはジョージにすべてを相続させると言っていたが、意外な内容だった。しかし取り分が増えた遺族は笑みを隠さない。
遺言公開後、リチャードの妹コーラが、「兄さん、本当は殺されたんでしょう?」と発言、騒然となる。コーラは奇人だから相手にされなかった。
翌日、コーラは斧で惨殺されてしまう。コーラは口封じされたのか? さらに権利書が盗まれたことで資産を分配できなくなる。ギルバート弁護士はポワロに調査を依頼した。
●ミス・ギルクリスト(コーラのコンパニオン)
コーラに3年仕えてきた初老の女性。コーラは絵画を収集し、自分も描いていたが、ギルクリストはその価値がわからないという。遺品として、気に入った絵を数点もらえることになったいた。
3週間前、リチャードがコーラを訪ねて「だれかが自分に毒を盛ろうとしている」と話したらしい。年寄り(リチャード)の妄想か、なにかを予見していたか?ポワロは遺族と話すが、みな嘘をついていると指摘。リチャードは自然死だが、毒殺の可能性は否定できない。遺言書は偽造されていた。ギルクリストが届けられたケーキを食べて倒れる。中にヒ素が入っていた。
遺産相続をめぐる一族の確執。生意気、嫌味、地味、偽善、尊大、献身、孤立と、ストックキャラクターが勢ぞろい。全員が虚偽の証言をしている。依頼人である弁護士も無関係とはいえない。定番の状況設定だけど、やはり複雑で混乱する。
犯行の動機は金だが、その奥には自分の知性が正当に評価されないことへの不満があったようだ。「コンパニオンの顔などだれも見ない」と言うが、ポワロは気づいた。5千ポンドの意味も、絵画の価値も理解してくれた。「わかってくださるのね」「自由で、独立して、だれに使われるのでもない」「ティーショップがダメになったら、あとはどうだっていい」 犯人は、ポワロに気づいてもらえたことを誇りに絞首台に登るだろう。
気づく人は気づくが、気づかない人は気づかない。アネバシー家の人たちは自分のことしか考えず、身近な人への思いやりに欠けていた。事件は解決したが、彼らも反省すべき点は多い。
真相
犯人はコンパニオンのギルクリスト。馬鹿な金持ちに使役される日々にうんざりし、コーラが購入したレンブラントの真作を喫茶店の開店資金にしたいと考える。コーラを眠らせ、変装して葬儀に参列。兄は殺されたと騒動を起こす。そのあとコーラが強盗殺人に遭えば、容疑は遺族に向けられる。
遺言書の偽造はジョージ。権利書を盗んだのはティモシー夫妻。ギルクリストはヒ素入りケーキを食べて、自分が狙われていたと演出した。
ポワロ:まちがったら困るので言えません。
警部:あなたでも間違える?
ポワロ:ふむ、今まで2度ほど。
警部:よかった。つねに正しいなんてかわいげがない。
ポワロ:そうでしょうかね。
アガサ・クリスティ | |
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ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
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ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
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ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
ほか |