レビュー  2013年06月09日  に発表された 

象は忘れない / 名探偵ポワロ #66 (デビット・スーシェ主演)
Elephants Can Remember / Agatha Christie's Poirot #66

2ツ星

象は思い出せる?

アガサ・クリスティが最後に書いたポワロ。「回想の殺人」の1つだが、『五匹の子豚』がとびきり素晴らしいため、どうしても見劣りしてしまう。そう感じてしまう理由の最たるものは、依頼人が不躾で、動機が不鮮明なこと。
ミセス・バートン=コックスは自分の使い込みが露見することを恐れ、シリアとデズモンドの結婚を邪魔したい。そのための方便として、12年前の心中事件を引っ張り出してきたわけで、「依頼人が真相に興味がない」という致命的な構図となっている。

明かされた真相はおもしろい。しかし証拠から推理したのではなく、現場を見ていた人物から聞き出したというのは物足りない。まぁ、確たる証拠もなく犯人を断定するよりマシだけど。

しかし現在、娘が復讐のために精神科医を殺す必要があっただろうか? 娘もまた精神を病んでいたのか? ドラマオリジナルで膨らませた部分だろうか? 加えて言うと、将軍にも同情しづらい。姉と交際したのち妹と結婚って、無神経と言われても仕方ない。ていねいに描かないと嫌悪感しかない。

残るはドラマ。老いたポワロとオリヴァ夫人のコンビは微笑ましいし、印象的なセリフもあるが、いまひとつピントが合わない。原題は「Elephants Can Remember」はことわざ「An elephant never forgets」のもじりだが、英語圏に住んでないせいか、意味があるのかないのか判然としない。

過去の犯罪を解き明かすなら、いつも以上にハッピーエンドが望ましい。


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象は忘れない / 名探偵ポワロ #66 (デビット・スーシェ主演)