象は忘れない / 名探偵ポワロ #66 (デビット・スーシェ主演) Elephants Can Remember / Agatha Christie's Poirot #66
2013年 海外ドラマ 2ツ星 探偵 推理 @アガサ・クリスティ象は思い出せる?
アガサ・クリスティが最後に書いたポワロ。「回想の殺人」の1つだが、『五匹の子豚』がとびきり素晴らしいため、どうしても見劣りしてしまう。そう感じてしまう理由の最たるものは、依頼人が不躾で、動機が不鮮明なこと。
ミセス・バートン=コックスは自分の使い込みが露見することを恐れ、シリアとデズモンドの結婚を邪魔したい。そのための方便として、12年前の心中事件を引っ張り出してきたわけで、「依頼人が真相に興味がない」という致命的な構図となっている。
明かされた真相はおもしろい。しかし証拠から推理したのではなく、現場を見ていた人物から聞き出したというのは物足りない。まぁ、確たる証拠もなく犯人を断定するよりマシだけど。
しかし現在、娘が復讐のために精神科医を殺す必要があっただろうか? 娘もまた精神を病んでいたのか? ドラマオリジナルで膨らませた部分だろうか? 加えて言うと、将軍にも同情しづらい。姉と交際したのち妹と結婚って、無神経と言われても仕方ない。ていねいに描かないと嫌悪感しかない。
残るはドラマ。老いたポワロとオリヴァ夫人のコンビは微笑ましいし、印象的なセリフもあるが、いまひとつピントが合わない。原題は「Elephants Can Remember」はことわざ「An elephant never forgets」のもじりだが、英語圏に住んでないせいか、意味があるのかないのか判然としない。
過去の犯罪を解き明かすなら、いつも以上にハッピーエンドが望ましい。
アガサ・クリスティ | |
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ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
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ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
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ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
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