レビュー  2005年01月02日  に発表された 

予告殺人 / アガサ・クリスティーのミス・マープル (S1E4)
Agatha Christie's Marple: A Murder is Announced

4ツ星

「お金に、取り憑かれていたのね」

あらすじ

チッピング・クレグホーンの地元新聞に「リトル・パドックスという下宿屋で殺人が起こる」という広告が掲載される。奇妙に思った村人たちが集まってくる。予告された時刻、部屋の灯りが消えて、強盗が押し込む。銃声が3発。懐中電灯で照らすと、強盗が射殺されていた。

強盗の正体は、地元ホテルの従業員シャーツだった。スイス人で、窃盗や小切手偽造の前科がある小悪党だった。新聞で村人たちの注目を集め、強盗に入ったが、自殺したか、あるいは転んで自分を撃ったと思われたが...。

リトル・パドックス(下宿屋)
  • レティシア・ブラックロック (Letitia Blacklock) ... 女主人。もうすぐ大金持ちになる。
  • ドラ・バンナー (Dora Bunner) ... レティシアの親友。無邪気でおしゃべり。第2の被害者(毒殺)。
  • バトリック・シモンズ (Patrick Simmons) ... 最近知り合ったレティシアの従弟。素性は不確か。レティシアにお金をせびっていた。
  • ジュリア・シモンズ (Julia Simmons) ... レティシアの従妹。
  • ミッチー (Hannah Mitzi) ... メイド。他国からの避難民。自分が狙われていたと証言する。
  • フィリッパ・ヘイムズ (Phillipa Haymes) ... 美貌の下宿人。子どもの学費に困っている。夫は脱走兵だった。
イースターブルック家
  • イースターブルック大佐 (Colonel Archie Easterbrook) ... 心理学者。事件に使われた銃の持ち主。不名誉な過去を隠している。
  • ローラ・イースターブルック (Laura Easterbrook) ... イースターブルック大佐の妻。美しいが、軽薄な人物。
スウェッテナム家
  • エドマンド・スウェッテナム (Edmund Swettenham) ... 文学青年。共産主義者。フィリッパに恋している。
  • スウェッテナム夫人 (Mrs Swettenham) ... エドマンドの母。リトル・パドックスに出入りしている。肉を盗んだ。
養豚場
  • ヒンチリフ (Miss Hinchcliffe) ... エイミーと同性愛関係に。
  • エイミー・マーガトロイド (Miss Amy Murgatroyd) ... ドアの近くにいたため、懐中電灯に照らされた村人たちの顔を見た。第3の被害者(扼殺)。
牧師館
  • ジュリアン・ハーモン (Julian Harmon) ... 牧師。
  • ダイアナ(バンチ)・ハーモン (Diana "Bunch" Harmon) ... ジュリアンの妻。マープルの親戚。
ほか
  • ランダル・ゲドラー (Randall Goedler) ... 十年前に亡くなった富豪。
  • ベル・ゲドラー (Belle Goedler) ... ゲドラーの遺産を受け継ぎ、スコットランドで療養中。あと数週間で死亡する見込まれている。夫人が死ぬと、レティシアが財産を相続する。
  • ソニア (Sonia Goedler) ... ゲドラーの妹。ランダルと対立していたため、相続から除外される。
  • ピップとエマ (Pip and Emma) ... ゲドラーの妹の子どもたち。消息不明。ゲドラー夫人より先にレティシアが亡くなった場合、遺産を相続する。
  • ルディ・ショーツ (Rudi Scherz) ... スイス人。ホテルのフロントで働きながら、窃盗や小切手偽造で小銭を稼いでいた。第1の被害者(射殺)。
  • シャーロット・ブラックロック (Charlotte) ... レティシアの妹。甲状腺肥大に悩まされていた。結核で亡くなった。

ネタバレ含む感想

あいかわらず登場人物が多い。名前と苗字、愛称が交錯し、テロップもないから、だれがだれだかわからない。ヒクソン版に比べ、関係者のドラマがたっぷり描かれているが、問題点が見えないため、まんぜんと聞き流してしまう。

マープルは、事件が起こる前からチッピング・クレグホーンに滞在し、被害者(シャーツ)とも面識があったが、牧師館に泊まるので、あまり意味のない導入になっている。

原作どおりクラドック警部が登場。マープルは親しげに近づくが、クラドックは敬遠する。捜査協力も中途半端だ。なぜ素直にならない?

イースターブルック大佐はフィリッパに色目を使うが、急に態度を変える。これまた意味不明。台所のお肉も必要以上に強調された。いちおう推理の一助となっているが、それほど決定的な証拠じゃない。
ヒンチリフとマーガトロイドは仲がよいだけでなく、キスシーンまである。新マープルは同性愛表現が多いが、本筋に関係しないから混乱する。ヒクソン版のほうがユーモラスだった。

レティシアはゲドラーの遺産のことを、みずから警部に話している。真相を踏まえると不可解だ。バンナーがしゃべったため、言えざるを得なくなった、という流れは必須だろうに。原作を読まずに撮影したのだろうか?

もろもろ不満だが、マープルが涙を浮かべながら犯人を追い詰めるラストは圧巻だった。真珠の首飾りが飛び散って、正体が明かされ、打ちひしがされる。犯人は絞首台に送られるまえに、マープルに処刑されたようなもんだ。涙のひとつも見せなきゃ浮かばれない。
推理らしい推理もないが、そこだけよかった。

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予告殺人 / アガサ・クリスティーのミス・マープル (S1E4)