レビュー  2010年08月30日  に発表された 

蒼ざめた馬 / アガサ・クリスティーのミス・マープル (S5E1)
Agatha Christie's Marple: The Pale Horse

4ツ星

二度見ないとわからない頭脳戦

あらすじ

霧の深い夜、マープルさんの旧友であるゴーマン神父は、瀕死のデービス夫人のもとを訪問した。死の床にあるデービス夫人の最後の懺悔を聞き、夫人を看取った神父は、その帰り道、何者かに殺害される。

(c) ITV PLC  (c) ITV UK / Film Afrika Worldwide

ノン・シリーズより。原作はオリヴァ夫人が登場するそうだが、あいにく本シリーズは『予告殺人』(S1E4)で逮捕されている。残念。
マープルさんは旧友の死によって事件に関わる。かなり危険な行為だったが、神父との間柄が言及され、警察が不甲斐ないことから、不自然さはない。ラストで犯人を叱責することで、これが旧友の仇討ちだったことが強調される。ただ好奇心から謎解きしたわけじゃなかった。

二度見るとおもしろさが増す。マープルさんはいきなり犯人を訪れており、手紙のこともしゃべってる。犯人はマープルさんを監視するため、協力者となる。観客は惑わされてしまったが、マープルさんも犯人の言動を疑っていた。マープルさんは犯人を油断させ、証拠を出させ、あざやかに仕留めた。謎解きの前にマープルさんが緊張していたのは、舞台を前にしたからではなく、犯人が隣にいたからだった。すさまじい戦いだった。

事件も興味深い。義父を毒殺しても絞首刑にならなかった犯人は、自分の楽しみとして殺人代行の組織を作る。依頼者からの料金回収、ターゲットの事前調査、疑惑を逸らすための演出担当が、黒幕と顔を合わせることなく連携する。おまけに囮の犯人まで用意されていた。驚くほど巧妙だ。しかし慢心ゆえに余計な殺人をしたことで、復讐の女神を呼び寄せてしまった。現代版を作ってほしい。

ドラマとしては、魔女たちの存在感がうすかった。魔術による殺人にもう少し説得力があってもよかった。

それにつけても素晴らしい頭脳戦だった。

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蒼ざめた馬 / アガサ・クリスティーのミス・マープル (S5E1)