蒼ざめた馬 / アガサ・クリスティーのミス・マープル (S5E1) Agatha Christie's Marple: The Pale Horse

2010年 海外ドラマ 4ツ星 探偵 @アガサ・クリスティ

罠にハメる人をハメる

あらすじ

ミス・マープルは旧友のゴーマン神父から、複数の名前のリストと「蒼ざめた馬」と書かれた手紙が届く。直後、ゴードン神父は殺害された。リストに名前がある人物はみな自然死していた。神父はなにか犯罪の秘密を知って、口封じされたようだ。警察が当てにならないため、マープルは独自に調査する。

ノン・シリーズより。原作はオリヴァ夫人が登場するが、このシリーズでは『予告殺人』(S1E4)で逮捕されちゃったからナア。残念。

原作の主人公であるマーク・イースターブルックは考古学者で、元パイロットで、警部の旧友で、ヘスケスディボア夫人の名付け子と、設定てんこ盛りだが物語上の役割は少ない。モブのひとり。ややこしい。

犯人は快楽殺人者で、愛もカネも求めていない。より安全に、より多くの人を殺す仕組みとして、3人の魔女とブラッドリーを利用した。なるほど。犯人は、犯行に気づいたデイヴィス夫人と、伝え聞いたゴーマン神父を殺害する。しかしリストはすでに郵送済み。なるほど。マープルは犯人にリストを見せた。だから犯人がくっついてきた。なるほど。犯人は存在しない犯人の特徴として、ヴェナブルズを描写した。この雑さによってマープルに疑われる。なるほど。1997年版より整理されている。

本作の見どころは、助手が犯人ってところ。犯人はマープルを惑わす。マープルは犯人に惑わされたふりをしつつ、証拠を出させていく。謎解きの前にマープルさんが緊張していたのは、舞台を前にしたからではなく、犯人が隣にいたから。なるほど。二度見てわかる頭脳戦だった。

ドラマとしては、3人の魔女たちの存在感がうすかった。「ひょっとしたら魔術に寄る殺人かも?」と思わせるには、演出が足りなかったかな。あと事件後にブラッドリーがどうなったか描いてほしかった。ブラッドリーは逮捕できない。失う社会的信用もない。観客としては、なんらかの懲罰がほしいところ。

おもしろかった。

アガサ・クリスティ
ポワロ
デビット・スーシェ (David Suchet) デビット・スーシェ (David Suchet)
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov)
声:里見浩太朗 声:里見浩太朗
  • アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル
  • グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件
  • 安マンションの謎
  • ABC殺人事件
  • 総理大臣の失踪
  • エジプト墳墓の謎
  • エンドハウス怪事件
  • クリスマスプディングの冒険
  • プリマス行き急行列車
  • 消えた料理人
  • 二十四羽の黒つぐみ
  • ダブンハイム失踪事件
  • 雲の中の死
 
ミス・マープル
マーガレット・ラザフォード (Margaret Rutherford) マーガレット・ラザフォード
アンジェラ・ランズベリー (Angela Lansbury) アンジェラ・ランズベリー
ヘレン・ヘイズ(Helen Hayes) ヘレン・ヘイズ
ジョーン・ヒクソン (Joan Hickson) ジョーン・ヒクソン
ジェラルディン・マクイーワン (Geraldine McEwan) ジェラルディン・マクイーワン
ジュリア・マッケンジー (Julia McKenzie) ジュリア・マッケンジー
声:八千草薫 声:八千草薫
ゆっくり文庫 ゆっくり文庫
  奥さまは名探偵
ほか
検察側の証人
そして誰もいなくなった
ほか

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