レビュー  2004年12月12日  に発表された 

書斎の死体 / アガサ・クリスティーのミス・マープル (S1E1)
Agatha Christie's Marple: The Body in the Library

3ツ星

テーマは愛か

あらすじ

ある朝、バントリー大佐の屋敷の書斎で、若い女性の死体が発見される。が、大佐をはじめ、家人は誰も彼女を知らない。遺体は観光地のダンサー・ルビーと判明。マープルは、バントリー夫人のドリーに頼まれ、調査を進めると、ルビーに驚きの事実が判明する。

(c) ITV PLC  (c) ITV UK / Film Afrika Worldwide

ジョーン・ヒクソン(Joan Hickson)版から20年──。英グラナダによって制作された2回目のテレビシリーズ。マープル役に起用されたのはジェラルディン・マクイーワン(Geraldine McEwan)。当時72歳だが、聡明かつチャーミング。感情をあらわにすることもあり、ヒクソンのような超然的な(ネメシスのような)雰囲気はない。親しみやすいので私は好印象。
ヒクソン版を鑑賞済みだが、ほどよくストーリーを忘れており、初見のように楽しめた。マープルさんが推理を披露すると、「そうだったのか!」ではなく「あぁ、そうだった」と膝を打った。ヒクソン版を見返すことで、違いを楽しむこともできた。

さておき本編。マープルさんが捜査に介入していく過程がおもしろい。「方向をまちがってません?」と揺さぶって、明瞭な推理を披露、興味をもったところで切り上げ。これをやられると、次に見つけた情報も報告せざるを得ない。うまいなぁ。
警視が容疑者を「アリバイはあるが動機がない」「動機はあるがアリバイがない」「アリバイも動機もない」と分類したのはわかりやすかった。しかし検死報告を改ざんしようとしたのは問題だ。マープルさんがいなければどうなっていたことか。恐ろしい。

謎解きは華がある。過去映像も挿入されるから、わかりやすい。おとり捜査の前に謎解きしてくれたのもテンポがいい。ヒクソン版は地味すぎると思ったが、マープルさんは職業探偵じゃないから地味なのは当たり前。しかし本作の方が親しみやすい。謎解きで盛り上がらないと、ミステリーを見ている気がしない。

事件に目を向けると、犯人と動機を変わっている。同性愛や女性プロデューサーは時代背景に合ってないだろう。つづく「牧師館の殺人」もそうだが、愛が強調されるのは違和感もあるが、ヒクソン版をなぞっても仕方ない。マープルさんだけでなく、事件もわかりやすくなった。これはこれでよい。新しいシリーズの始まりを祝したい。


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書斎の死体 / アガサ・クリスティーのミス・マープル (S1E1)