そして誰もいなくなった (全2話/日本) And Then There Were None
2017年 日本ドラマ 3ツ星 ★妄想リメイク 推理 殺人鬼 @アガサ・クリスティ意気込みはよかったが...
舞台を現代日本に移し、数え唄も和風アレンジ。「自然回帰」をテーマに携帯電話、通信機器を没収。オープン前のホテルという設定で、船がない不自然さを隠す。よう考えたね。冒頭で10名が全滅したことを示し、現在と過去を行き来しつつ謎を解く構成も悪くない。こういうチャレンジは好きだ。
しかし本編映像は雑。2015年の英国ドラマ「そして誰もいなくなった」と類似するシーンが多く、イメージの貧弱さ、あるいは手抜きを感じさせる。4時間以上の長尺だから、同じようなシーンが連続する。大物俳優たちの大げさな演技もあって、だんだん注意力を失っていった。
これほど有名で、何度も映像化された作品なのに、犯人が「かつてなかった犯罪」と連呼するのも虚しく響く。
登場人物たちの経歴も華々しいと言うか、設定を盛りすぎている。
- 家庭教師 ... 美人で、元水泳選手の世界水泳金メダリスト。人がいっぱいいるプールで、教え子を溺死させる超能力者。
- ミステリー作家 ... イケメンで、元アマチュアボクサー。サラリーマンを撲殺しておきながら、作家デビューを果たしたなんて恐れ入る。交通事故で十分なのに。
- 裁判長 ... 現代日本において、あいまいな証拠で死刑判決なんて出せるのかいな。アレンジ不足。額を撃ち抜かれ、動かすことができないのに、裃のコスプレをしていたのは不自然。また家庭教師の悲鳴を聞いてから着替えたのも無理がある。
- 調査員 ... 善意から偽証したようだが、だからといって免罪されるわけでもなく、モヤモヤした印象を残す。探偵が撲殺されたとき、家庭教師と軍事評論家はいっしょにいたのだから、どっちが殺したかで争うのは馬鹿げてる。
- 元国会議員 ... 妻の愛人をテロで爆殺って、荒唐無稽だろ。警察が見落とした殺意にオーエンが気づいたというのも不可解。
- 軍事評論家 ... 元傭兵で、過酷な実戦経験もあるのに、銃の管理はいい加減。硝煙反応を調べることもない。やられっぱなし。トーシロか。
もっと大胆なアレンジが欲しかった。たとえば、
妄想リメイク
台風の夜、島のホテルから救援要請が入る。ホテルで殺人事件が発生し、建物の中に殺人犯がいると言う。すでに3人殺されていた。しかし船もヘリコプターも出せないため、警部はひとりずつ話を聞いて、注意すべき箇所を指示するだけ。
やがて電波状況も悪化。メールと写真で状況を追うが、やがて返事が途絶える。
台風一過。島に上陸すると10名全員が殺されていた。警部は殺人の順序を再構築する。
ここまで練り込むくらいなら、オリジナルストーリーにするか。
アガサ・クリスティ | |
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ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
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ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
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ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
ほか |