そして誰もいなくなった (全3話/イギリス) And Then There Were None
2015年 海外ドラマ 4ツ星 推理 殺人鬼 @アガサ・クリスティ映像はよいが...
英国のテレビドラマ。映像が素晴らしい。私は19世紀初頭のイギリスを知らないが、それっぽい雰囲気に興奮する。演技もうまい。素晴らしい。
しかし好きになれない。
全員が罪人だから、だれにも感情移入できないのだ。ドラマとしては、悪いことをした人間たちが死んだ。それに尽きてしまう。《判事》も雰囲気バッチリだが、哲学的に好感をもつことはない。
《秘書》が罪人かどうかで引っ張る構成はいいね。それから序盤、海に入った《秘書》を《判事》が救うシーンもよい。《判事》にとっては大切な首吊り要員だから、予定外の行動は困るのだ。
しかしこうした視点は原作ファンしか得られない。本作は罪状の告発も数え唄も省略されるから、原作を読んでないと置いてけぼりだ。場面が変わると、いまが何日の何時かも見失ってしまう。
おまけにホラー要素が多い。登場人物はみんな幻覚を見るから、水に薬でも入っているのか疑ったほどだ。《秘書》は幻覚の手に引っ張られたことで悲鳴をあげ、そのタイミングで《判事》は自分の死を偽装する。海藻の仕掛けがよいとは言わないが、いくらなんでも不自然だろう。
感情的な行動も目立つため、ますます眉をひそめてしまう。エレガントじゃない。
雰囲気はよかったが、ミステリーとしては今ひとつ。しかし映像は素晴らしい。原作ファン必見である。
アガサ・クリスティ | |
---|---|
ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
|
|
ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
|
|
ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
ほか |