無実はさいなむ / アガサ・クリスティーのミス・マープル (S3E2) Agatha Christie's Marple: Ordeal by Innocence

2007年 海外ドラマ 4ツ星 家族 探偵 @アガサ・クリスティ

「グェンダはここで家族を見つけたんです」

あらすじ

グェンダは、富豪のリオ・アーガイルの秘書を勤めていた。リオと妻レイチェルの間に子供はなく、夫妻は6人の養子を迎え入れていた。その中の1人ジャッコはいつも金の無心に来ていた。レイチェルは気性が荒く、夫のリオにさえ役立たず呼ばわりしていた。

(c) ITV PLC  (c) ITV UK / Film Afrika Worldwide

ノン・マープルより。マープルさんは秘書グェンダの恩師という設定で、結婚式に招待される。グェンダがマープルさんを尊敬していることがわかるので、とても自然な導入部になっている。結婚式が流れ、グェンダが死んでも滞在するのは無理があるが、展開が早いので気にならない。
グェンダはもっとマープルさんをたよるべきだった。新たな家族を得るため、独力で解決しようとしたのだろうか。そんなグェンダを、アーガイル家の人々は拒絶した。許せないことだ。マープルさんがグェンダの無念を伝えるシーンが胸に響く。
犯人は家族のために罪を認めたが、家族は犯人の手を拒絶した。当たり前といえば当たり前だが、アーガイル家の人々の不誠実さが目立つ。彼らは互いを信用せず、他者の犠牲を顧みない。疑惑は晴れたが、守るべき家族の絆は残っていなかった。なんという皮肉だろう。

キャルガリーが脳天気な学者バカとして描いたのは正解だ。おかげで証言を疑わずに済んだし、家族でない者の視点も得られた。『ドーバー海峡殺人事件』(1984)のキャルガリー(ドナルド・サザーランド)は悪人っぽい雰囲気だったのと対照的だ。しかし脳天気すぎて中盤以降は居場所がなかった。まぁ、安易に家人と恋に落ちても困るか。

レイチェルはなぜ子どもにこだわったのだろう? 資産を継がせることに執着していたのか? もしレイチェルに資産がなければ、ここまで子どもたちに嫌われることもなかったかもしれない。

マープルさんさんはヘヤピンで金庫を開けてしまった。どういう人生を歩めばそんなスキルが身につくのか。「甥がよく鍵をなくすから」などという説明じゃ納得できない。まぁ、このくらいスーパーマンでもいいか。

アガサ・クリスティ
ポワロ
デビット・スーシェ (David Suchet) デビット・スーシェ (David Suchet)
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov)
声:里見浩太朗 声:里見浩太朗
  • アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル
  • グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件
  • 安マンションの謎
  • ABC殺人事件
  • 総理大臣の失踪
  • エジプト墳墓の謎
  • エンドハウス怪事件
  • クリスマスプディングの冒険
  • プリマス行き急行列車
  • 消えた料理人
  • 二十四羽の黒つぐみ
  • ダブンハイム失踪事件
  • 雲の中の死
 
ミス・マープル
マーガレット・ラザフォード (Margaret Rutherford) マーガレット・ラザフォード
アンジェラ・ランズベリー (Angela Lansbury) アンジェラ・ランズベリー
ヘレン・ヘイズ(Helen Hayes) ヘレン・ヘイズ
ジョーン・ヒクソン (Joan Hickson) ジョーン・ヒクソン
ジェラルディン・マクイーワン (Geraldine McEwan) ジェラルディン・マクイーワン
ジュリア・マッケンジー (Julia McKenzie) ジュリア・マッケンジー
声:八千草薫 声:八千草薫
ゆっくり文庫 ゆっくり文庫
  奥さまは名探偵
ほか
検察側の証人
そして誰もいなくなった
ほか

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