レビュー  1990年01月07日  に発表された 

エンドハウスの怪事件 / 名探偵ポワロ #11 (デビット・スーシェ主演)
Peril at End House / Agatha Christie's Poirot #11

4ツ星

やっぱり4人が揃うと楽しい

あらすじ

 ポワロとヘイスティングスは、コーンウォールの岬「ランズ・エンド」で休暇を楽しんでいた。そこで知り合ったニックという女性は、三日で三回も生命を狙われたと笑う。ポワロは彼女が狙撃されていたことに気づき、護衛を申し出る。
 しかしニックは大した財産をもっているわけではない。エンドハウスに滞在する友人たちにも動機らしい動機はない。
 ところが花火見物の夜、ニックのスカーフを借りたマギーが射殺されてしまう。

 ニックは、冒険家のマイケル・シートンと交際していた。シートンは太平洋上で行方不明になり、莫大な遺産をニックが相続することに。ポワロはニックを病院に隔離し、守ろうとする。ポワロは面会を禁止し、御見舞品を食べないよう命じるが、ニックはチョコレートを食べて、死亡する。

  1. フレディ(フレデリカ)・ライス ... 派手好きな既婚者。夫と別居し、ジムと不倫中。コカインの常習者。ニックが死ぬと、現預金は全額フレディが相続する。チョコレートを差し入れたのも彼女であり、一番の容疑者となる。
  2. ジョージ・チャレンジャー ... ニックに好意を寄せる海軍中佐。叔父がロンドンで医師をしている。
  3. ジム・ラザラス ... 青年実業家。ニックの死によって得るものはないが、不倫相手のフレディを手伝った可能性はある。お金持ちと思われたが、じつは破産状態。
  4. チャールズ・バイス ... ニックの従兄弟で弁護士。ニックに好意を寄せていた。ニックは遺言状を書いたが、バイスは受け取っていないと言う。ニックの死後、半年遅れで遺言状が届いたと証言する。
  5. クロフト夫妻 ... エンドハウスを管理している。ニックに遺言状を書くよう勧めた。

 ジャップ警部が現地に到着。ポワロはミス・レモンを呼び寄せる。かくして4人の捜査がはじまった。

テレビドラマ「名探偵ポワロ」シリーズ初の長編。オープニングの「飛行機におびえるポワロ」にはじまり、「浜辺で4人がアイスクリームを食べる」エンディングまで、ユーモラスな掛け合いが満載。ヘイスティングスとミス・レモンの与太話がヒントになったり、ミス・レモンが降霊術を開催したりと、ちゃんと捜査に関わってくれるのもうれしい。原作に忠実かどうかより、この4人組の活躍が楽しいシリーズなんだな。

ニックの声が妙に印象的だった。とびきりの美人ではないが、チャーミングで、邪悪な素顔も納得できる。ほかの容疑者はあまり個性がなく、フレディとの関係も薄っぺらい。きちっと脇役を描いてくれれば、もっとよくなっただろう。

事件解決は鮮やかで、初めて見たときは「おー!」と唸った。しかし何度か見ると、マギーの生命をだれが、どうして狙っていたのか明かされず、ちょいと中途半端。このあたりは原作を読むしかないか。マギーが、ポワロを探偵と知るまえから事件に巻き込んでいるのも奇妙。ちょこちょこ気になるところはあるが、初見からおもしろいミステリーはあまりないので、私は満足している。

真相

 エンドハウスに関係者が集められ、遺言状が公開される。それによるとニックの全財産は、クロフト夫人に贈与されることになっていた。奇妙な遺言に面食らう人々。そのときポワロは、降霊会を開こうと提案する。
 部屋を暗くしてミス・レモンが呼びかけると、白いショールを羽織ったニックが登場。クロフト夫人によって遺言状が隠され、改ざんされたことを暴露。クロフト夫妻は警察に連行される。

 ニックの生還を喜ぶ人たちに、ポワロが謎解きの続きをはじめる。
 シートンからニックに宛てた手紙には欠落があり、不自然な点があった。シートンが婚約した相手はニックではなく、同じ愛称をもつマギー・バックリーだった。嫉妬したニックは、シートンの死が確実になったときにマギーを殺害。婚約者のふりをして財産を受け取るつもりだったのだ。

 ニックは警察に連行されるが、フレディの時計に仕込まれたコカインで自殺することは明らかだった。


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エンドハウスの怪事件 / 名探偵ポワロ #11 (デビット・スーシェ主演)