情婦 / 検察側の証人 (ビリー・ワイルダー監督) Witness for the Prosecution
1958年 外国映画 5ツ星 法廷 犯罪 @アガサ・クリスティ素晴らしい翻案
視聴後すぐ原作を読んだんだけど、原作よりおもしろかった。比べることで、ビリー・ワイルダー監督の飛び抜けたセンスがわかる。いやはや、素晴らしい。
どんでん返しのある映画だけど、繰り返し見て楽しめる。というか、1回だけじゃわからないことが多い。
たとえば初見では、ウィルフリッド卿(チャールズ・ロートン)の態度に苛立った。辣腕弁護士とわかっても、お酒を隠し飲み、錠剤を数える不真面目さはどうしようもない。しかし付き添い看護婦ミス・プリムソル(エルザ・ランチェスター)の存在が大きく印象を変える。陰鬱な結末でありながら、この2人が法定を去るときに清々しさよ。上映当時、チャールズ・ロートンは59歳、エルザ・ランチェスターは56歳なんだけど、だいぶ齢が離れているように見える。この2人は実際にも夫婦と聞いて、さもありなんと納得した。
クリスチーネ(マレーネ・ディートリヒ)の魔性も述べておかねばなるまい。上映当時57歳ですって。レナード(タイロン・パワー)が44歳だから、もっと若い娘を配役するのが自然だが、マレーネの「女であろうとする気迫」が映画に説得力をもたせている。証言台の絶望は演技だったが、本当の絶望では拍子抜けするほど静かに行動した。その落差がいい。
私はこの映画で、ビリー・ワイルダー監督のファンになって、ほかの作品も見るようになった。多くの人が、この魅力的な映画と監督の存在に気づいてくれますように。
アガサ・クリスティ | |
---|---|
ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
|
|
ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
|
|
ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
ほか |