レビュー  1958年02月06日  に発表された 

情婦 / 検察側の証人 (ビリー・ワイルダー監督)
Witness for the Prosecution

5ツ星

素晴らしい翻案

視聴後すぐ原作を読んだんだけど、原作よりおもしろかった。比べることで、ビリー・ワイルダー監督の飛び抜けたセンスがわかる。いやはや、素晴らしい。

どんでん返しのある映画だけど、繰り返し見て楽しめる。というか、1回だけじゃわからないことが多い。
たとえば初見では、ウィルフリッド卿(チャールズ・ロートン)の態度に苛立った。辣腕弁護士とわかっても、お酒を隠し飲み、錠剤を数える不真面目さはどうしようもない。しかし付き添い看護婦ミス・プリムソル(エルザ・ランチェスター)の存在が大きく印象を変える。陰鬱な結末でありながら、この2人が法定を去るときに清々しさよ。上映当時、チャールズ・ロートンは59歳、エルザ・ランチェスターは56歳なんだけど、だいぶ齢が離れているように見える。この2人は実際にも夫婦と聞いて、さもありなんと納得した。
クリスチーネ(マレーネ・ディートリヒ)の魔性も述べておかねばなるまい。上映当時57歳ですって。レナード(タイロン・パワー)が44歳だから、もっと若い娘を配役するのが自然だが、マレーネの「女であろうとする気迫」が映画に説得力をもたせている。証言台の絶望は演技だったが、本当の絶望では拍子抜けするほど静かに行動した。その落差がいい。

私はこの映画で、ビリー・ワイルダー監督のファンになって、ほかの作品も見るようになった。多くの人が、この魅力的な映画と監督の存在に気づいてくれますように。

 Googleで「情婦 / 検察側の証人 」を検索する
 Wikipediaで「情婦 / 検察側の証人 」を検索する
 IMDBで「Witness for the Prosecution」検索する

コメント (Facebook)

[ASIN] B00I8GQGRY
思考回廊 レビュー
情婦 / 検察側の証人 (ビリー・ワイルダー監督)