アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル (全39話) Agatha Christie's Great Detectives Poirot and Marple
2004年 アニメ 3ツ星 探偵 推理 @アガサ・クリスティなぜ大物俳優を使ったのか?
ポワロシリーズから短編4本、長編8本、ミス・マープルシリーズから短編6本、長編2本、合計25話のアニメ化。期待に反して、ポワロとマープルが直接会うことはなく、メイベルというオリジナルキャラクターが相互を行き来する。作者(アガサ・クリスティー)でも共演できなかった2人だから、まぁ、無理なのはわかっていたが、それでもやっぱり共演シーンを見たかったよね。
どのエピソードもほんわかムードに丸められており、安心して視聴できるが、その分、印象に残らない。本作に限らずミステリードラマ全般に言える不満点だが、「なぜだろう?」と思う前に謎解きが始まったり、謎解きによって浮かび上がる人間性がさらりと流されるため、カタルシスがない。
難点の1つは、大物俳優を多数起用したこと。声の演技に慣れてないのか、やる気がないのか、ひどい棒読みにめまいを起こす。さっぱり感情移入できない。こういうアニメの端役から注目される声優も多いのだから、食うに困らない大物たちの遊び場にしてほしくなかった。
もう1つの難点はメイベルだ。16歳で探偵になりたいと言って女学校を飛び出し、ポワロの世話になるなんて、ふざけてる。ストーリーへの関与も少ない。しかし本職の声優さんがやっているから、雰囲気はばっちり。ノースリーブのメイベルがくるりとまわるオープニングは、このアニメのイメージを決定づけている。
メイベルは許してもいいが、人語を解するアヒルのオリバー、てめぇは許さねぇ。簡単なお使いを果たし、メイドとして潜入するときに同行させても文句を言われない。どうしてミステリーに、こんな奇っ怪な生物が紛れ込んでいるのか! もうね、何をか言わんや。
# | Who | Title |
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1 | ポワロ | グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件 |
2 | ポワロ | 安マンションの謎 |
3 | マープル | 風変わりな遺言 |
4 | マープル | 申し分のないメイド |
5-8 | ポワロ | ABC殺人事件 (4) |
9-10 | ポワロ | 総理大臣の失踪 (2) |
11-12 | ポワロ | エジプト墳墓の謎 (2) |
13 | マープル | 巻尺殺人事件 |
14 | マープル | 金塊事件 |
15 | マープル | 青いゼラニウム |
16-18 | ポワロ | エンドハウス怪事件 (3) |
19-20 | ポワロ | クリスマスプディングの冒険 (2) |
21-25 | マープル | パディントン発4時50分 (4) |
25-26 | ポワロ | プリマス行き急行列車 (2) |
27 | マープル | 動機と機会 |
28-29 | ポワロ | 消えた料理人 (2) |
30-33 | マープル | スリーピングマーダー (4) |
34 | ポワロ | 二十四羽の黒つぐみ |
35 | ポワロ | ダブンハイム失踪事件 |
36-39 | ポワロ | 雲の中の死 (4) |
【ゆっくり文庫】
「まじめに作れ!」という憤りから、【ゆっくり文庫】でミス・マープルを作ることになった。オリジナルキャラを交え、かなり翻案している。原作ファンにこそ見てもらいたい。
アガサ・クリスティ | |
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ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
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ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
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ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
ほか |