レビュー  1988年04月15日  に発表された 

死海殺人事件 / 名探偵ポワロ (ピーター・ユスティノフ主演)
Appointment With Death

3ツ星

ボイントン夫人の存在感

『名探偵ポワロ #61 死との約束』(2009)と比較するために鑑賞したが、ここまで展開が異なるとは思わなかった。後発のデビット・スーシェ版の方が乖離しているらしい。そのせいか、本作の方がまとまりがいいように思う。
最大のちがいはボイントン夫人。相手に有無を言わせぬ存在感が、物語を引き締めている。ミスディレクションも見事だった。ポワロの推理を聞くまで犯人はわからないが、話を聞けば納得できる。おもしろかった。

ピーター・ユスティノフのポワロは肥満体で、お茶目で、若い娘さんが好きで、うわさ話の収集が得意な好々爺だった。デビット・スーシェのような鋭さ、偏屈さはないが、これはこれで悪くない。ただ、立ち位置がミス・マープルに近すぎるか。

似つかわしくない逃走劇や、推理の場を途中で変える演出は、映画の尺を合わせるためだろうか。いささか冗長な印象を受ける。また犯人がわかっても逮捕しないことに、なんらかの説明がほしかった。
ラストで死者に恩情をかけるところが印象的。こうなることがわかっていても、ポワロは真実を暴いてしまう。好々爺と思わせて、冷酷。しかし情けもある。それが老探偵の魅力かもしれない。


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死海殺人事件 / 名探偵ポワロ (ピーター・ユスティノフ主演)