名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊 A Haunting in Venice
2023年 外国映画 2ツ星 探偵 @アガサ・クリスティ「友人はいない」
あらすじ
第二次世界大戦後のイタリア。引退したポワロはオリヴァ夫人に連れられ、降霊会に出席する。降霊会はインチキだったが、霊媒師が殺害された。犯人はこの中にいる。ポワロが1人ずつ取り調べていると、密室で医師が殺された。
『ハロウィーン・パーティー』を原作にしているが、原作要素はまったく残っていない。オリヴァ夫人さえ別人だった。なぜ変えたのか? それは『ナイル殺人事件』で傷ついたポワロの復活を描くためだろうけど、なにがどう作用したのか。
独善的な探偵
ポワロは公衆の面前で個人の秘密を暴露する。これは犯罪捜査ではなく、自分の天才性を誇示する悪癖だ。そのせいで友人を失っているのに、まったく懲りてない。今回も暴きまくって、余計な悲劇を増やしている。それで探偵業復帰を決めたのだから、「それでいい」「友人なんかいらない」と割り切ったようだ。
だれかを笑顔にするためでも、だれかの涙を拭うためでもなく、ただ自分のために謎を解く。そんな探偵を、かっこいいとは思えない。ケネス・ブラナーはかっこいいと思っていのだろうか。
退屈な映画
原作を忘れ、メッセージ性を無視しても、本作はつまらない。ずっと暗い画面で、会話が噛み合ってない。土砂降りの夜の庭で聞き取りする必要があるか? 馬鹿げてる。
超常現象を認めないミステリーと、超常現象ありきのホラーは相性がよくない。本作はそこを融合させる工夫もない。語られた動機も手口も無理がある。
言いたくなかったが、言わざるを得ない。
ケネス・ブラナーのポワロは好きになれない。
ケネス・ブラナー主演のポワロ
- 2017 オリエント急行殺人事件
- 2022 ナイル殺人事件
- 2023 ベネチアの亡霊
アガサ・クリスティ | |
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ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
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ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
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ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
ほか |