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[レビュー1965年09月10日に発表された 

姿なき殺人者 / そして誰もいなくなった (ジョージ・ポロック監督)

Ten Little Indians

客たちの個性がちと弱い

クリスティの戯曲「そして誰もいなくなった」、2度目の映画化。モノクロ、91分。舞台をアプルスの山荘に移し、ロープウェイの停止によって孤立する。また、客たちの素性や罪状も変更され、応じて人物像や関係も変わっている。ネタバレだが、書き出しておく。

  1. 歌手 ... 最年少の小僧に。
  2. メイド ... 攻撃的な性格に。ロープウェイ落下で死亡。
  3. 将軍 ... 罪状が部下の忙殺→原住民の殺戮に。頭の回転が早く、女優の過去を知っている。
  4. 執事 ... 単独で崖を降りようとしてロープを切られる。
  5. 探偵 ... 年齢が高くなり、お年寄りグループに。瓦ではなく熊の像を落とされる。
  6. 女優 ... 若い美女となり、若者グループに。注射器で刺される演出はチープ。逃げるか叫ぶかしろよ。
  7. 医師 ... 愚かしいイメージがなくなった。「助かるなら殺人に手を貸してもいい」という申し出はいいね。
  8. 判事 ... リーダーシップを発揮せず、印象が薄い。判事時代から殺人鬼だった。
  9. 技師 ... 原住民を殺戮した大尉→妊娠中の不倫相手を殺した技師。性格や立ち振舞は同じ。
  10. 秘書 ... 女優に並ぶ美女。さしたる会話もないまま、技師とセックスする。

気になるのは秘書。オーエンの告発が正しければ、技師は妊娠中の不倫相手を殺したことになる。なのにまったく警戒せず、あっという間にチュー。さらに技師は罪状を認め、銃をもって部屋に入ってきたのに抱きつき、ベッドイン。いくらなんでも不自然だ。危機的状況で、味方になってくれる男が欲しい気持ちは想像できるが、技師がオーエンでないと、どうして確信したのか? また確信したなら、銃を向けることはない。あるいは彼女はすぐ若い男をくわえ込む悪癖があるのかもしれない。だとすれば、姉の婚約者を毒殺したのも納得できる。今回もラストで、「女を信用するな」という警告が出されるが、若い男女の耳には届かない。あんがい、技師も馬鹿かもしれない。

年齢が変わったことで、客たちはお年寄りグループ(将軍、医師、判事、探偵)と、若者グループ(技師、秘書、女優)に分けられる。お年寄りグループは数が多く、驚く発言をしないため、個別認識しづらい。女優はだいぶ注目されるが、さしたる抵抗もなく退場してしまった。つまるところ、技師と秘書ばかり目立って、ほかの客が埋没している。ルネ・クレール版に比べると、差が大きい。

しかしまぁ、舞台や設定を変えても物語が成立することが証明された。この映画化があったから、のちの翻案作品が作られたのだろう。飛び抜けたところはないが、ファンなら見ておいて損はないだろう。

アガサ・クリスティ
ポワロ
デビット・スーシェ (David Suchet) デビット・スーシェ (David Suchet)
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ポワロ
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ジョーン・ヒクソン (Joan Hickson) ジョーン・ヒクソン (Joan Hickson)
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ジュリア・マッケンジー (Julia McKenzie) ジュリア・マッケンジー (Julia McKenzie)
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