スタイルズ荘の怪事件 / 名探偵ポワロ #20 (デビット・スーシェ主演) The Mysterious Affair at Styles / Agatha Christie's Poirot #20 100th Anniversary Special
1990年 海外ドラマ 3ツ星 探偵 推理 @アガサ・クリスティこれぞ「秩序と方法」
「名探偵ポワロ」シリーズ2本目の長編。『スタイルズ荘』はアガサ・クリスティの処女作であり、エルキュール・ポワロの初登場作品である。またスタイルズ荘はポワロ最終作「カーテン」の舞台にもなるため、ファン必見のエピソード。言い換えると、スタッフは必ず撮影しなければならない1本で、これを早い段階で手がけてくれたことは本当にうれしい。ポワロもヘイスティングスも、それにジャップ警部も若々しい。グラナダテレビの「シャーロック・ホームズ」では、「緋色の研究」は映像化されなかったしね。
本作で印象に残るのは、アルフレッドの言いようのない風貌と、エヴィの声(野沢雅子)。当初は目立ち過ぎと思っていたが、終わってみれば納得の配役だった。いいね。トリックも練り込まれていて、まず怪しまれるアルフレッド、次に疑わしいジョン、ちらほら不審なローレンスと、視聴者を飽きさせない。ポワロが「秩序と方法」でヒントを見つけ、関係者全員を集めて謎解きするのも痛快。ヘイスティングスは大切な友人として扱われ、ジャップ警部もポワロに信頼を寄せている。ミス・レモンは登場しないが、ポワロのスターターキットといえるだろう。エンディングも素晴らしい。
ヘ「でも、ぼくには女性はわからない」
ポ「元気をお出しなさい、モナミ。
そのうち、この嫌な戦争が終わったら、また一緒に仕事をしましょう。
ポワロがいろいろ教えてあげますよ」
第一次世界大戦勃発時のヨーロッパ情勢については、別途、自分で調べなければならない。原作の執筆時はもちろん、ドラマが制作されたときも、ことさら説明する必要はなかったのだろう。自分で調べることで、世界史を楽しめるようになる。これも、本作から受けたよい影響だった。
アガサ・クリスティ | |
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ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
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ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
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ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
ほか |