レビュー  2012年09月13日  に発表された 

トリハダ 劇場版
TORIHADA The Movie

2ツ星

つなげるだけでなく、意味をもたせれば最高だった

2007年にテレビドラマが放送されていたようだが、未見。『世にも奇妙な物語』ほど不条理でなく、『ほんとにあった怖い話』ほど安直でなく、『怪談新耳袋』ほどモンスターが出てこない。現代社会の虚無を描く雰囲気はおもしろい。ホラーオムニバスが濫造される中で、なかなか個性的な作品と言える。

プロローグ(メインストーリー)

[あらすじ] コールセンターに勤めるひかりは、製品に関係なく罵詈雑言を浴びせるクレーマーに悩まされていた。ある日、ひかりは隣室に住む中年女性がクレーマーであることに気づく。

[感想] 結局、ひかりはクレーマーと上司を殺害し、自殺するわけだが、理由が稀薄だった。おそらく孤独な中年女性に自分の将来を重ねたのだろうけど、それならそうと描いてほしかった。そこを描いていたら、数あるホラーオムニバスと一線を画すことができただろうに。

第一話「見えざるものの中にある真理」

[あらすじ] トランクルームを借りている弓子は、夜、扉をこじ開けようとする変態に遭遇する。

[感想] 変態より女性の方が怖いと言うオチらしいが、弱い。

第二話「異常な愛情と執念の6日間」

[あらすじ] 宅配便で働く孝史は、不在票を受け取ったという女性に付きまとわれる。

[感想] 話はどうと言うことはないが、女性のビジュアルが怖かった。

第三話「好奇心から生まれる想像と漆黒」

[あらすじ] 夜のバス。帰宅中のサラリーマンが、前の席に座っていた女子高生の携帯画面をのぞき見てしまう。言い寄る彼氏をからかうメールのやりとりに、殺人をほのめかす記述が含まれていた。

[感想] あんがいストレートなオチだが、これはこれで悪くないか。

第四話「理想と現実の相違から訪れる闇」

[あらすじ] 引っ越してきたばかりの葉子は、となりに住む青年からシチューのお裾分けをもらう。

[感想] なぜ彼女が狙われたのか、なにが目的だったのか、さっぱりわからない。

第五話「自身に降りかかった悪夢と結末の相違」

[あらすじ] 夕子が仕事から帰ると、上着のポケットに小さく丸めた紙が入っていて、「30」と書いてあった。紙は毎日ポケットに入れられ、数字は「29」「28」と減っていった。不気味に思った夕子は友だちに相談する。

[感想] ラストの微笑みから、これは夕子が仕組んだ友人を殺害するための芝居と解釈できるが、トリックとしては弱い。

第六話「誘惑と疑念の葛藤と脅迫」

[あらすじ] 専業主婦の真貴子は、夫の浮気を疑っていたが、決めてはなかった。ある日、セールスのような電話がかかってくる。電話口の女性は、無料で真貴子のライフスタイルを無料で改善する提案をしたいと言う。

[感想] 電話口の声がよかった。微妙に敬語が使えていないところもいいね。

オムニバスの各エピソードに関連性をもたせ、メインストーリーを描く切り口もよかった。しかし関連性が弱く、「あぁ、なるほど」と納得できるようなオチがなかったのは残念。まぁ、そこまで求めるのは酷か。
モンスターの出てこないホラーはいいね。テレビドラマも見ておけばよかったかな。


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