レビュー  2002年08月13日  に発表された 

怪談百物語 (全11話) 火曜時代劇
100 Tales of Horror

4ツ星

いいものもあれば、そうでないものもある

有名な怪談話を大胆にアレンジしている。一話完結型のオムニバスドラマだが、共通の目撃者──陰陽師・蘆屋道三(竹中直人)を設定したのもいいね。魅力的なスタイルだ。続編を期待したいが、1話ごとの完成度が高いから、量産は難しいかもしれない。

01. 四谷怪談

長い原作をコンパクトに切り詰めている。伊右衛門はどうしようもない極悪人だが、お岩は呪い殺しておきながら、嫌っていないところがいい。

02.雪女

雪女を追われて身に設定したのは新鮮。追手たちの正体はよくわからないが、緊迫感が高まっている。すべてが夢に思えるラストも印象的だった。

03.うば捨て山

老母の知恵で邪魔な城主が死ぬところがいい。意図した計略だったらなおよい。母親がすでに死んでいるのなら、主人公は卓抜した知恵者になるが、どうなんだろう? 道三は母の愛というが、ちがう解釈も成り立つ。

04.番町皿屋敷

お菊が自分を切ってもらうため、わざと皿を割っていた。おもしろい解釈だが、皿を数える前半と、旗本を救えない後半が不連続になっている。道三さえも欺いた怨霊の計略と考えるほうが納得できる。

05.耳なし芳一

芳一も平家の落ち武者だっだとする裏設定は素晴らしい。視力を失ったことにも説明がついた。罪の意識から呪い殺されることを望んでいると思ったが、生への執着は強かった。ラストも予測できるが、しびれる。完成度の高い1本だった。

06.狼男

原典がわからない。興奮もない。

07.かぐや姫

かぐや姫は、朝廷に滅ぼされた土蜘蛛一族の姫だった。求婚者を払いのけ、帝に近づいたことに、明瞭な意図があったことに驚く道三とのからみもよかった。

08.雨月物語

完璧な嫁に男が居心地の悪さを感じるのも無理はない。神社の釜が「凶」と告げているのに結婚したことがまちがいか。

09.ゴースト

自分にしか見えない死んだ妻というのは強烈。見方を変えれば、すべて亭主の幻覚だった可能性もある。再婚相手が殺されなくてよかった。

10.怪談源氏物語

観測者が源氏物語を知っていて、なお物語に組み込まれるところがおもしろい。しかし全体的に迷走気味か。

11.牡丹燈籠

原典から遠く離れすぎている。愛する女性の霊に引っ張られる展開もマンネリ化の傾向にあるが、未来(現代)につづくラストは清々しかった。

妄想リメイク(ゆっくり文庫)

このドラマからのリメイクではないが、それぞれの原著を翻案した動画を作ったので、ぜひ見てほしい。




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