劇場版 ほんとうにあった怖い話 3D Hontou ni atta kowaihanasi 3D

2010年 日本映画 2ツ星 #ほんとうにあった怖い話 ホラー:ショート モンスター

モンスターばっかり

フジテレビの『ほんとにあった怖い話』とちがって、タイトルに「う」がついてる。類似タイトルが多くて混乱する。
なんの劇場版かわからないが、内容はしょぼかった。どのエピソードも脈絡なくモンスターが襲ってくるだけ。ナレーションで由来っぽいものを語るけど、取って付けたようなものばかり。「よくわからないから怖い」なんてのは言い訳だ。おまけにモンスターの造形、動きにもオリジナリティがない。細かいことは考えず、それっぽいものを登場させているだけ。つまり手抜きだ。ひどいもんだ。

ひどいと言えば、本作は3D映画であると宣伝しているが、実際は5エピソード中の1本のみ。私の家は3Dテレビがないから、どう見えるかはわからないが、3Dで見たいような映像じゃなかった。というか、なぜこのエピソードを3Dで撮ったのか、理解に苦しむ。

  1. 廃工場 ... ロケ地は申し分ないが、怖い演出がぜんぜん足りない。廃液モンスターが潜んでいるという設定なら百倍怖かったと思う。
  2. 心霊スポット ... 旅館の人形や自殺者をからめたせいで、注意が散漫になった。置き去りにされた女性が呆然と立っているシーンこそ映像化すべきだろう。あるいは、そこから物語を転がしてもいい。
  3. 誰かいる ... 小さな女の子が怖がるさまを愛でるだけ。家の中になにかいる。家族に訴えても無視される。それだけで十分なのに。
  4. 死の土壌 ... 農夫がメンバーを殺していたのか、農夫も毒に犯されていたのか、さっぱりわからない。豊作の秘けつは肥料にした死体だった、くらいステレオタイプでよかったのでは。
  5. シセン ... 唯一の3D作品。自殺したのが先生で、じつは彼女たちの(無意識な)イジメが原因だったりすればおもしろくなったかもしれない。

まったく無関係な人が襲われるスタイルが定着してしまったが、根本的な誤解がある。襲う側には襲うだけの理由があるけど、それが理解できないから怖いのだ。ストーカーが部屋に入ってくる怖さと、部屋の中で竜巻が発生する怖さは異なる。5本ともモンスターが人を襲う理由を描いていないのは、脚本家の怠慢だろう。

それにつけてもこんな話を「ほんとうにあった」と言ってしまう神経が怖いよ。

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